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 海外ユニーク事例:健康業界のビジネスモデル特集

  ・13のビジネスモデルパターンに分類
  ・ビジネスモデルパターンの活用ポイント

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スポルツでは、健康関連の新事業・新商品(サービス)の企画立案の支援
を行う際、コンセプトづくり(提供価値づくり)とともに、
「ビジネスモデル」を起点としたサポートを行っています。

今まで本メルマガで紹介した海外の先進事例・注目事例の多くはビジネス
モデルにも工夫をしており、参考とすべき点があります。

今回は、「ビジネスモデル」にフォーカスし、パターンを紹介します。

自社のビジネスモデルを改めて見直しながら、ヒントとなるパターンが
あるかどうかチェックしながら、お読みください。


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海外の先進事例に見る、13のビジネスモデルパターン
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ビジネスモデルは、収益構造・仕入れの状況を見える化したものです。
収益構造を中心に、13パターンに分けることができます。


1.生産販売モデル
2.小売モデル
3.広告モデル
4.ワンソースマルチユースモデル
5.継続リレーションモデル

6.マッチングモデル
7.成功者(体験者)活用モデル
8.データ蓄積販売モデル
9.ワンフレーム複数バリエーションモデル
10.顧客フェーズ分析ソリューションモデル

11.健康専門家確保モデル
12.記録プラットフォームモデル
13.記録プラットフォーム連携モデル


※ビジネスモデルのイメージ図
http://www.sportz.co.jp/project_note/contents/69.html
事例シートの4、5ページ目がイメージです。


次に、13のビジネスモデルの概要を、過去に本メルマガで特集した
バックナンバーのURLとともに紹介します。


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海外の先進事例に見る、13のビジネスモデル事例
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1.生産販売モデル

健康関連商品を自ら製造し生活者に販売するモデル

・例:NutriSystem社(ダイエット食品の通販企業)
ダイエット食品を直接生活者に販売する。継続利用を促すために
サービスを充実(電話カウンセリングなど)させている。
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/226.html

・例:Gaiam社(ロハス関連商品の販売企業)
ロハス関連の商品(ソーラー関連、衣類など)を販売する。
低価格のライフスタイルメディア(DVD)をきっかけにし、その
ライフスタイルを実現するための商品を販売する。
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/243.html



2.小売モデル

自ら商品を製造することはなく、契約先から商品(サービス)を仕入れ
販売するモデル

・例:Whole Foods Market社(米国最大の自然食品店)
契約先から自然食品を仕入れ、販売するモデル。地場企業を育てる低金利の
融資プログラムにより、高品質商品の安定供給を行う。
http://www.wholefoodsmarket.com/

・例:eDiets社(ネットダイエットプログラム企業)
ダイエットプログラムをコンテンツ企業から購入し、それを加工し販売する。
サービスの小売モデルといえる。
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/151.html



3.広告モデル

健康分野の特定テーマにあった無料コンテンツを使って集客を行い、広告費で
収益をあげるモデル

・例:WebMD社(医師向けの最大健康ポータルサイト)
健康分野の特定医師を中心としたコンテンツで集客を行い、広告費で収益を
あげる。医師に必要な複数のサイトを運営している。
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/258.html



4.ワンソースマルチユースモデル

1つのコンテンツを加工し、形を変えて新しい価値をつくり収益をあげる
モデル

・例:Rodale社(米国最大の健康雑誌企業)
1つの健康コンテンツを雑誌・本・Webに加工し、新しい価値をつくり収益を
あげる。雑誌で記事の反応を見ながら、人気のある記事テーマを書籍化、
ウェブ化する流れを作る。
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/240.html

・例:RealAge社(エイジングをテーマとするネット企業)
実年齢とエイジング年齢を無料でアセスメントでき、食事・運動・人間関係
などについてアドバイスする「Realage-test」をキラーコンテンツとする。
このコンテンツに関連する書籍、食品などの販売により収益をあげる。
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/241.html



5.継続リレーションモデル

BーC(BーB)向けに商品・サービスを販売し、月会費を継続的に徴収する
モデル

・例:WeightWatchers社(世界最大のダイエットセンター)
毎月のダイエットのミーティング費を基本の収益とする。ミーティングは、
一方的に知識を教わるのでなく、お互いのダイエット行動を話し、やる気を
高める場になっている。
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/222.html


・例:Aisle7社(BーB向け健康コンテンツ販売企業)
ドラッグストアやスーパーマーケット向けに健康コンテンツを提供し、
毎月売上をあげるモデル。ハードとソフトが一体となったキオスク端末で、
ソフトの内容は毎月更新される。店舗の売上に直結する健康コンテンツづくり
をテーマにしている。
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/264.html



6.マッチングモデル

参加者同志で売買ができる場を用意し、売買の手数料で収益をあげるモデル

・例:Pumpone社(ネットベンチャー企業)
フィットネストレーナーが自分のトレーニングプログラムを同社サイトに提供
し、そのコンテンツが一般、他のトレーナーに売れると手数料が入る。
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/180.html



7.成功者(体験者)活用モデル

サービスを利用した成功者自らがサービスの中核となって商品販売するモデル

・例:Medifast社(ダイエット食品の通信販売企業)
通信販売以外に、サービスを利用した成功者が基点となり商品を販売する形態
をもつ。
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/223.html


・例:WeightWatchers社(世界最大のダイエットセンター)
成功者の中から一定の教育を受けた人がグループリーダーとなり、
ダイエットセンターで行われるミーティングサービスの中核を担う。
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/150.html



8.データ蓄積販売モデル

入手が難しい体験記録データを収集・分析し、企業に販売するモデル

・例:Patientlikeme社(ネットベンチャー企業)
難病患者向けの体験記録データを製薬企業に販売する。患者会と組み
難病ごとに患者を数多く集めている。
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/231.html



9.ワンフレーム複数バリエーションモデル

テーマを様々に変えて複数の同じ形態(フレーム)のサイトをつくり、
収益をあげるモデル

・例:EverydayHealth社(米国最大の健康ポータル運営企業)
ヒットした様々な健康書籍のテーマを同じフレーム(プログラム+ツール+
知識の形)を使いサイトをつくり、収益をあげる。
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/228.html



10.顧客フェーズ分析ソリューションモデル

顧客の健康行動プロセスを分解して、それぞれのプロセスに合うサービスを
考え、顧客のトータルソリューションを行うモデル

・例:Jenny Craig社(米国第2位のダイエットセンター)
ダイエットの動機づけ期、減量期、維持期というプロセスごとにサービスを
用意し、顧客のトータルソリューションを行う。
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/260.html



11.健康専門家確保モデル

キーとなる健康分野の専門家を一定数以上確保し、その専門家にアプローチ
したい企業を対象にビジネスを行うモデル

・例:エムスリー社(日本)
数多くの医師を集め、医師向けポータルサイトを運営。医師向けにサイト広告
を出したい企業の多くを対象にビジネスを行う。
http://www.healthbizwatch.com/keyperson/contents/031.html



12.記録プラットフォームモデル

多くの企業が参画する記録のプラットフォームをつくり、収益をあげるモデル

・例:HealthVault(マイクロソフト運営の健康情報プラットフォーム)
家族の健康状態情報を保存し、外部と共有できるサイト。多くの企業が参画
する記録のプラットフォームになっている。
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/252.html



13.記録プラットフォーム連携モデル

記録プラットフォームを活用し、その周辺で収益をあげるモデル

・例:Keas社(ネットベンチャー企業)
個人の健康データを元に適切なプログラムを提供する。元グーグルヘルスの
開発者が2009年10月からベータ版をリリースしている。
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/251.html



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スポルツの視点:
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今回は、海外を中心に本メルマガで紹介した先進事例のビジネスモデルを
パターンに分けて紹介しました。図でなくテキスト形式でしたので、
少々イメージがつきにくいかもしれません。
下記に活用のポイントをキーワードでまとめます。

■自社のビジネスモデルと比較し、課題を見つける

現在行っている(企画中の)ビジネスと似た海外のビジネスモデルと比較し、
違いや工夫点を参考に、自社のモデルの課題を見つけるというものです。

例えば、

・各サービスのつながり度合い
・複数のビジネスモデルの組み合わせ方
・仕入れの工夫

など、いくつかの切り口で課題を見つけます。


■進化させる

海外の先進事例をみると企業の成長はビジネスモデルの発展とともに進んで
います。例えば、米国を代表するダイエットセンター「WeightWatchers社」
の場合、継続モデルと成功・体験者活用モデルを中心にしながら、
生産販売モデルとワンソースマルチユースモデルを組み合わせて大きな成長
を遂げています。


■プロジェクトの初期段階で検討する

新事業や既存事業の再構築などのプロジェクトの初期段階
(あるべき姿を描き、現状を分析する際)に、まずチェックしていただきたい
のはこのビジネスモデルです。コンセプトを十分練った後にビジネスモデル
を考えるより、儲け方のパターンを頭に置きながらコンセプトを考える方が
スピードがでます。

特に新しいカテゴリーを創出するビジネスの場合、既存の流通ではフィット
しない場合も多く、ビジネスモデルを最初に意識する必要があります。


■チームで共有し、早期に一定レベルに達する

ビジネスモデルを検討する際、チームで検討が行われる場合が多いです。
まず最初にビジネスモデルに関するチーム内でのバラバラな知識を共有し、
一定レベルに引き上げ、その後ディスカッションすると、アイデアが膨らみ
やすくなるとともに、議論の後戻りが減ります。



●海外先進事例のビジネスモデルパターン紹介
http://www.sportz.co.jp/project_note/contents/70.html
今回紹介したビジネスモデルの詳細を複数の図入りのシートを使って解説し、
その内容をチームで共有していただくための有料サービスです。


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