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 【海外ユニーク事例編】健康記録データの価値化を行う「Cure Together」

     ー ダイエット、腰痛など日常的な健康課題(テーマ)で、
       症状、対策、原因などの参加者記録データを定量化 ー

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日本の健康サービスを考える上で、健康記録をいかに活用するかが
ひとつのテーマになっています。

健康記録における提供価値として下記の3点が考えられます。

●記録入力のしやすさ(いかに楽に記録してもらえるか)

●データの一元管理(多様なデータをどうまとめて管理できるようにするか)

●データの価値化(記録で止まらず次の行動にどう役立ててもらえるか)


今回は、「データの価値化」の一つの事例として、「Cure Together」
というサイトを紹介します。

同サイトは、前号で紹介した健康ネットビジネスの先端動向が紹介される
「Health 2.0」というカンファレンス(会議)でも注目企業として挙げられて
います。


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ビジネス概要
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■企業名:CureTogether,Inc.

■設立:2008年

■サービス概要

・625の健康課題におけるトリートメント(対策)の評価を発表している。
 参加者からのデータが元になる

・健康モニタリングのオンラインツール

■収益源:企業向け健康データの販売、健康データを活用した書籍販売

■オンライン会員数:15,000人(112カ国)


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サービスで行われる記録の価値化
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今までに本メルマガでは、データの価値化の事例として「patientslikeme」と
いうサイトを紹介しました。「patientslikeme」が難病をテーマにする一方、
「Cure Together」は、一般的な健康課題(病気まではいかないダイエットや
腰痛など)をテーマにしている点が最大の違いです。


「Cure Together」では、参加者が入力した下記の4つの内容に対して、
データを分析し、それぞれ価値を高めた形で提供しています。

【1】Symptoms(症状)
【2】Treatments(対策)
【3】Causes(原因)
【4】Related Conditions(併発している健康課題)

それぞれどのようなものか、以下でみます。


※参考バックナンバー:patientslikeme
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/231.html


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【1】Symptoms:参加者記録データを使い「症状」の傾向がわかる
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自分の健康課題に対して、どのような症状がでやすいかを参加者の記録データ
を定量化して示すものです。

・比較して、自分に変わった症状がないかをチェックできる

・同じ健康課題の人がどのような症状を抱えているかを調べられる

というメリットがあります。

例として、肥満症(ダイエット)の場合、現れる症状として「体が重い」
「疲れやすい」「腰痛」「関節痛」などが上位にきています。

http://curetogether.com/obesity/symptoms/


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【2】Treatments:参加者記録データを使い「対策」の傾向がわかる
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自分の気になる健康課題に対して、どのような対策が効き目があるかを参加者
の記録データを定量化して示すものです。対策を試した人が多い順、試した中
で効き目があったと思う順などで並び替えを行えます。

・自分の対策が間違っていないかを確かめることができる

・自分の対策の効果を疑問に思っている場合、次にどのような対策に
 変えるべきかを決める情報として役立てることができる

というメリットがあります。

例として、肥満症(ダイエット)の場合、上位に評価されている対策として、
「食事」「運動」「ウエイトウォッチャーズ」「プロテイン飲料」「ニュー
トリシステム」など一般向けのサービスも含めて表示されます。

http://curetogether.com/obesity/treatments/


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【3】Causes:参加者記録データを使い「原因」の傾向がわかる
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自分の気になる健康課題の原因を参加者がどう捉えているかを定量的に示す
ものです。

・一般的原因(遺伝的要因、メンタル、生活習慣など)がわかる

・自分の考えとの違いを発見し、今後の対策の参考とする

というメリットがあります。

例として、肥満症(ダイエット)の場合、「運動不足」「ストレス」「間食」
「遺伝」などが上位に表示されています。

http://curetogether.com/obesity/causes/


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【4】Related Conditions:「併発している健康課題」の傾向がわかる
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自分の気になる健康課題に対して「併発する健康課題」を定量的に示すもの
です。

・関連する健康課題を調べることで、相互の因果関係をつかみ、根本的な
 対策をうつヒントとすることができる

というメリットがあります。

例として、肥満症(ダイエット)の場合、「不安症」「腰痛」「うつ病」
「高コレステロール」などがあげられています。

http://curetogether.com/obesity/related/


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スポルツの視点
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■今回は、参加者の健康記録データを使い定量的な分析を行い、記録データの
価値化を行う「Cure Together」を紹介しました。

■こうしたサイトでは、記録をした人とのその後のリレーションづくりが課題
の一つとなりますが、その点を同サイトではマイクロソフトのヘルスボルトや
グーグルヘルスなどの健康記録サイトからデータを吸い上げることができる
機能をもち、それらの記録とTreatments(対策)を比較し、どのような対策が
よいかを改めて考えるように工夫しています。

■利用者からみて、

・健康情報がたくさんあり、どれが自分に合うかわからない
・自分に合う対策を行い、無駄なお金はかけたくない
・間違った対策をしている場合、すぐに他の方法に変えたい

といったニーズに対応するひとつの解決案として、是非チェックしてもらい
たい事例です。


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