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海外ユニーク事例編:最新mHealthカンファレンスより注目事例3サイト

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本メルマガの2012年の注目テーマは、

「ヘルス2.0」と「mHealth」です。


先月、「ヘルス2.0」を特集したので、
今月は「mHealth」を特集します。


「mHealth」は、モバイル機器を使った健康管理全般のこと。

昨年12月に米国で開催された
展示会&カンファレンス「mHealth Summit」には、
モバイルヘルスに関わるビジネス、研究、技術関係者が
世界50か国から3600名以上集まりました。

今回は、その「mHealth Summit」で

「The StartUp Mobile Health Pavilion」という
ベンチャー企業が集まって開催されたブース37社より、
スポルツが注目した


●Stress Tracker(ストレス トラッカー)

●GI Monitor(ジーアイモニター)

●Smart Screen(スマートスクリーン)


という事例を紹介します。


※参考:「mHealth Summit」の開催概要
http://mhealthsummit.org/pdf/mhs11_wrap_release.pdf


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事例1:Stress Tracker(ストレス トラッカー)
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■企業名:Above Stress
http://abovestress.com/

■設立:2011年

■サービス概要:ストレスで体調を崩している人や、複数のストレス
を感じる人が、ストレス履歴を記録し、問題解決に役立てるストレス・
マネージメント用携帯アプリ

■アプリの使い方:

・ストレスを10段階で評価し、気分、ストレスの理由、症状、体調を記録する
ー理由の例:仕事、家族、ソーシャル、金銭など
ー症状の例:肩こり、胃腸の不調、メンタル面など
ー体調の例:疲れを感じる、食べ過ぎた、など



・自分のストレスの傾向を分析する
ーいつ、どのようなストレスを感じているかを週単位や月単位でチェック
できる
ーストレス原因のランキング形式でわかる



・データを専門カウンセラーに送信して、相談することも可能


※参考:デモページ(動画による紹介)
http://www.medcitynews.com/2011/12/10-startups-from-mhealth-2011-above-stress/


■みどころ:原因究明に特化した記録管理アプリ

ストレス対策には原因と傾向を特定することが第一歩ですので
同アプリでは一定期間内のストレスの理由、症状、体調という
キーファクターを記録することで、ストレスの原因に迫ります。

さらにそれらを時系列やランキングで見直すことで

ーストレスの一番の原因になっているのは何か
ーもっともストレスを感じる時期はいつなのか

といった固有パターンを見つけます。

一例として、
ストレスの主な理由が仕事で、常に週初めに胃腸の調子が悪い、
という傾向が顕著であれば、仕事のストレスの「固有パターン」を
発見できます。


このように、原因究明に直結した記録管理によって
最適な治療法を選択するのに役立てます。

※参考URL:
http://itunes.apple.com/us/app/stress-tracker/id439288154?ls=1&mt=8


■収益源:
・個人ユーザーへのアプリ販売(5.99ドル)
・ウェルネスプログラムとして保険会社や心理カウンセラーなどに販売予定


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事例2:GI Monitor(ジーアイモニター)
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■企業名:WellApps
http://www.wellapps.com/

■設立:2009年

■サービス概要:GIとは胃腸のことで、胃腸の不調を抱える人が、
行動履歴と消化器系のコンディションを記録管理できる携帯アプリ
(炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病患者など、慢性的に
消化器系の疾患を抱える患者も利用できる)

■アプリの使い方:

・自分の体調と行動記録を次の6つの項目で記録する
ー排便
ー食事
ーストレスレベル
ー薬の飲み忘れ
ー痛み
ー独自の症状



・記録したデータをもとに、1週間、1ヶ月などのスパンで健康状態を数値化
してくれる(10段階評価)。他にもチャート方式で体調や行動履歴を確認
できる



・データをそのまま医師に送信できる。
または、サイトにアカウント登録すればプリントアウトも可能


※参考:デモ・ページ(動画による紹介)
http://www.youtube.com/watch?v=9I3wLC-ArsM


■みどころ:
特定の慢性疾患マネージメントに特化したアプリケーションシリーズ

体調管理に役立つ記録アプリは数多くありますが、
一般的に食事、運動、体重などの記録項目がほとんどです。

そうなると、特定の病気を抱える人にとっては、
意味のない項目があったり、逆に記録しておきたい項目がなかったりと
使い勝手が良くない場合があります。

同社では、こうした問題点に着目し、特定の慢性疾患に特化した
記録管理アプリ・シリーズを開発しています。
こうしてユーザーが必要最小限の項目を記録できるよう工夫してあります。

※今後発売予定のアプリ:関節リウマチ、うつ病患者向けの記録アプリなど

※参考URL:
http://itunes.apple.com/app/gi-monitor/id315539155?mt=8


■収益源:
・集積データの販売を予定(アプリ自体は無料)


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事例3:Smart Screen(スマートスクリーン)
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■企業名:Epion Health
http://www.epionhealth.com/epionhealth.html

■実績:ニュージャージー工科大学の企業開発センターが主催する、
デジタルヘルスや医療用デバイスの開発ベンチャー企業コンペティション
「Startupalooza」のヘルスケア部門で受賞。(2012/02/09)

■設立:2011年

■サービス概要:医療情報を患者に提供するために、様々な医療コンテンツに
アクセスできるプラットフォームを搭載したアンドロイドタブレット型の
端末機器。

患者が診察の待ち時間に自分の病気に関する情報を検索/学習したり、
医療スタッフが薬剤の処方量計算などの事務に利用するなど、医療現場での
利用を目的としている。

■プログラムの使い方:

・患者の教育支援
ー診察の待ち時間に、患者が病気に関連したコンテンツを見て学ぶ。
(コアコンテンツ:Mayo Clinic提供の医療情報やHealthiNation提供の
動画による医療関連の視覚教材)
ー症状をチェックする問診表

・患者とのコミュニケーション支援
ーEMR(内視鏡)のデータや画像、解剖図などを患者に見せながら、
病気や治療方針を説明できる。
ー製品情報のライブラリを使用して、新しい医療器具を紹介したり、
医療器具の正しい使用法を教えたりできる。

・医療スタッフの作業効率化
ー薬剤の処方量計算
ー医薬品ガイド/説明書


※参考:デモ・ページ(スライドによる紹介)
http://www.youtube.com/watch?v=9JTbofKkUI4


■みどころ:
ヘルス・リテラシーの促進を目標にした医療現場における患者教育ツール

米国では国民の健康づくり運動「Healthy People 2010」において、
ヘルス・リテラシー(患者が健康情報を十分理解し、納得したうえで行う
意思決定)が重要課題として提唱されました。

反面、限られた時間の中で、医師が患者に病気について説明し、
正しく理解してもらうことは困難です。

そのため同社は、直接医師が患者と接する医療現場で、わかりやすく、
また効率的に患者を教育するためのツールとしてこの医療コンテンツ・
プログラムを開発したようです。

※参考URL:http://www.epionhealth.com/smartScreen.html


■収益源:
・タブレット端末は医師に無料提供の予定
・コンテンツ内の広告掲載料
・コンテンツ制作したスポンサー企業からの収益


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スポルツの視点
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■今回は、mHealthの最新カンファレンスの注目事例を3つ紹介しました。
いかがでしたでしょうか。それぞれに特色があるとともに、収益源にも
工夫があります。

■昨年のmHealthカンファレンスには、弊社里見が参加しました。
その時の、キーワードは

・パーソナライズ
・決断のサポート
・共有(ソーシャル)

といったものがあり、パーソナライズと決断のサポートは今回紹介した
事例とも関わりがあり、引き続きこの流れがありそうですね。

■2012年は「mHealth」に引き続き注目していきます。


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