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【海外ユニーク事例編】シニアの社会的孤立問題をIT支援「インディペンダ」
 
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こんにちは。
 
株式会社スポルツ、ヘルスビズウォッチ編集長の脇本和洋です。
 
これから起きる大きな環境変化に「急速な高齢化」があります。
 
「急速な高齢化」に対して、どのような健康サービスが提供できるか?
 
今回は、そのヒント事例として
 
・Independa(インディペンダ)
 
というサービスを紹介します。
 
 
【本号の効果的な読み方】
 
・URLを記載していますので、クリックいただきながらお読みいただくと
 事例のポイントをイメージしやすいと思います。
 
 
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企業概要
 
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■企業名:Independa, Inc.(インディペンダ)
 
■企業スローガン:Redifining Independence(高齢者の自立問題を再定義する)
 
■設立:2009年
 
■動画によるサービス紹介(2分):下記ページの「Watch Video」をクリック
 
■ミッション(表記):
高齢者がより長く、より安全に、より快適に自立した生活を送れるように、
高齢者とその家族を支援する
(to help families keep their elderly loved ones independent longer, 
 safer and more comfortably)
 
※同社の高齢者のイメージ:つきっきりの介護は必要としていない70歳以上の
 人で、一人暮らしもしくは2人暮らしをしており、家族は遠方に住んでいる
 
■サービス概要:
高齢者の自立のテーマを「コミュニケーション」「日常の生活管理」
「見守り」という3つに分け、ITを駆使したサービスを提供する
 
■顧客(B-B):
介護事業者、高齢者用住宅施設の運営企業、住宅設備会社など
 
■実績:
 
・サンディエゴを基盤とするハイテク企業家の支援組織CONNECTが主催する
 Most Innovative New Product (MIP) Awardをソフトウェア部門で受賞
 
・市場調査会社フロスト&サリバンが主催する2011 North American Product 
 Line Strategy Award をテレヘルス部門で受賞
 
 
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同社が考えた、高齢者の自立支援
 
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同社は、高齢者が孤立していく状況を
 
「社会的孤立(Social Isolation)」
 
と表現し、この問題にフォーカスし
 
・「コミュニケーション」
・「日常の生活管理」
・「見守り」
 
という独自の3つの解決分野を設定し、
ITを駆使したサービスを提供しています。
 
 
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サービス内容
 
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■コミュニケーション
 
「Angela(アンジエラ)」と「Life Stories」という2つのサービスを
提供している。
 
・Angela
 
テレビ(LG社製)やタブレット(サムソン社製)を使い、一人暮らしの
高齢者と家族のコミュニケーションをスムーズにするシステム。
 
テレビは、提携しているLG社製のカメラ内蔵型スマートテレビを使い、
スカイプによるビデオ通話、簡易メール、フェイスブックがワンタッチ
クリックでできるしくみ。高齢者にとっては、難しいITの設定が一切不要で、
使いやすいものです。
 
・Life Stories
 
両親と電話でつながり、会話の内容を録音/保存する機能。
 
 
■日常の生活管理
 
「Smart Reminders(スマートリマインダーズ)」というサービス。
 
高齢者に家族の誕生日、診察日など、日々のスケジュールを通知する
システム。家族が高齢者に代わって情報を入力し、高齢者が忘れることなく
実行できるようにする。
 
 
■見守り
 
「Integrated Monitoring(インテグレイテッド・モニタリング)」という
サービス。
 
・健康状態の把握(血圧計、体重計、血糖値などのバイタルサイン)
・本人の行動の把握(ドアの開閉、身体の状況を各種センサーで把握)
・防犯(室温、煙探知機など)
 
を行うモニタリング。
 
 
尚、高齢者の家族(遠隔での介護者)には専用のウェブサイトがあり、
家族同士で情報交換ができるしくみも作っている。
 
 
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今回の学び:高齢者の健康問題にどうアプローチするか?
 
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今回は、同社からの学びとして、以下の2点をあげます。
 
■フォーカス領域の設定
 
日本でも高齢者の健康に関しては、
 
ジェロントロジーという学問があり
それによると
 
1)シニアと運動
2)疾病予防と治療
3)リハビリテーション
4)クオリティ・オブ・ライフ(生きがい)
5)社会との関係(家族・介護者など)
 
などが研究対象となります。
 
その中で特に、同社は「社会との関係」にフォーカスしている点が特徴です。
 
 
■独自の解決分野とその統合
 
また、同社は高齢者の「社会的孤立」問題に対する
 
「独自の解決分野」
 
として
 
・「コミュニケーション」
・「日常の生活管理」
・「見守り」
 
を設定し、個別でなく「統合」しています。
 
 
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