───────────────────────────────────
●ビジネスモデル事例 【iScribe.com】

 ~PDA(携帯情報端末)を活用して医師の日常業務をサポート~
───────────────────────────────────

 iScribe.comは、医師向けに米国で広く普及しているPDA(携帯情報端末)
のアプリケーションソフトを販売しているベンチャー企業です。現在の
取扱い製品は、全米で年間30億枚も発行されるという「処方箋」作成・
管理をサポート、医師の日常業務の効率化を図るソフトです。同社は、
先ごろスポンサーとしてJohnson&Johnsonの協力を得ることで合意、
オフラインにおいてもその販売促進活動が活発化すると予想されます。

【補足:PDA(携帯情報端末)とは?】 
PDAとは、Personal Data Assistantの略で、米国ではビジネスマンを中心
に普及している個人向けの情報端末です。通常手のひらに納まるくらいの
サイズで、米国のPalm(OSはPalmOSを搭載)、シャープのザウルス(OSは
シャープ独自OS搭載)などが有名。PDAの基本的な機能は、スケジューラ
やToDoリスト、データを持ち歩ける点ですが、最近ではメール送受信や
Webブラウズといった通信機能も装備するなど機能性が向上しています。
●参考サイト:サンケイ新聞IT情報サイト
「携帯情報端末(PDA)って何?(1)」
http://www.sankei.co.jp/advertising/itnews-labo/kadenseikatu/05/01.html
「携帯情報端末(PDA)って何?(2)」
http://www.sankei.co.jp/advertising/itnews-labo/kadenseikatu/index.html


.........................................................................................................
【iScribe.comの概要】 収益源はPDAアプリケーション販売収入
.........................................................................................................

サイトの概要は以下のとおりです。
■サイト名:iScribe.com
■サイトアドレス:http://www.iscribe.com
■ビジネス対象タイプ:B-B
■設立:1999年1月
■収益構造:
主な収益源は、医師(及び製薬会社担当者)向けのPDA(携帯情報端末)
のアプリケーション販売収入。


.........................................................................................................
【iScribe.comの特徴】 アプリケーションの詳細な解説とリンク集が充実
.........................................................................................................

iScribe.comのサイト構成は、主力製品のデモンストレーションが中心で、
ページ上には常に「問合わせ先電話番号」が記載されているなど、機能性
重視のデザインとなっています。主なコンテンツは、以下のとおりです。

■service(製品紹介)
現在の主力製品は、iScribei3000 とiScribei5000でありその製品概要が
紹介されています。主な機能は次の通りです。
・医師が処方箋記入・管理を効率的に実施
・医薬品の副作用情報などを閲覧より有効な処方が可能
・患者の処方箋の記録管理
・日々の患者毎のスケジュール管理
また、これらの製品は、パソコンへ専用ソフトをインストールし、変換器を
取り付けることによって、パソコンとのデータ交換や無線通信でのワイヤレス・
プリンターの使用が可能となります。

■members(会員向けサービス)
現在は準備中ですが、同社製品の顧客向けに様々なサービスが提供されます。
・24時間カスタマーサポート
・会員のコミュニティ機能
・ソフトウエアのグレードアップ(ダウンロード)情報や新製品情報など

■useful info.(リンク集)
一般的な医療関連組織・政府機関・関連企業のほかに、PDAユーザー医師向け
に次のようなサイトへもリンクしています。
PDAmd.com(医師・医療関連従事者のPDAユーザー向け総合情報サイト)
http://www.pdamd.com/vertical/home.xml
WirelessData.org(一般PDAユーザーのための総合情報サイト)
http://www.wirelessdata.org/front.asp


.........................................................................................................
【日本での可能性】 自宅での健康管理ビジネスが伸びる!
.........................................................................................................

■現在、日本で普及している個人情報端末は、ネット対応携帯電話iモード
でしょう。iモードは、スケジューラ機能がなかったりデータを持ち歩け
ないためビジネスツールとしての機能は劣ります。
 しかし2000年6月、PDAのPalm OS製品販売会社である3Com社とNTTドコモ
との提携が発表されました。この提携により、今後「PDAとiモードの機能性
を併せ持った新しい高機能携帯電話」が開発され、本格的にビジネスツール
として携帯電話が使われるようになる可能性が出てきました。

■また、患者の側からすれば、自分の携帯電話に自分の処方箋データや
医療情報をデータとして入れ自宅に持ち帰れるようになります。また、
フィットネスクラブなどの施設系の会員も自分のデータを自由に引き出せ
自宅に持ち帰れるようになります。こうした流れをうけ、今後は「自宅」
での運動プログラム、治療方法などのソフト開発が注目されるといえるの
ではないでしょうか。

■日本の医師をターゲットとする企業としては米国のJohnson&Johnsonが
医師への認知を上げるためにiScribe.comに投資したように医師向けの
ソフト制作を行っている企業に目を付けておくことも大切でしょう。

※参考サイト
●PDA関連
インターネット対応携帯電話利用者PDAに高い関心を示す傾向
(BCN総研 2000年7月28日)
http://www.computernews.com/marketview/20000728.htm
米国PDA販売は昨年から倍増、Palm製品がトップ(NPD INTELECT
Market Tracking2000年8月24日)
http://www.intelectmt.com/corp/intelectmt/press/press_000824b.htm
米国PDA向けソフト提供サイトPalmtop Publishing
http://www.palmtoppublishing.com/
●iモード関連
3Com社がNTTドコモと提携(ZNネットニュース 2000年6月15日)
http://www.zdnet.co.jp/news/9906/15/palm.html
iYahoo!(iモードサイト検索)
http://i.yappo.ne.jp/
●その他
世界のモバイルコンピューティング白書(矢野経済研究所 2000年8月2日)
http://www.yano.co.jp/press/2000/000802.htm

───────────────────────────────────