海外ユニーク事例

2015.04.14号 【海外ユニーク事例編】「糖尿病」行動継続支援としての「コーチング」

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【海外ユニーク事例編】「糖尿病」行動継続支援としての「コーチング」
 
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こんにちは。株式会社スポルツの脇本和洋です。
 
「海外ユニーク事例編」では、毎月1回特定のテーマで海外の健康ビジネス動向を紹介しています。
 
糖尿病は、発症すると生涯つきあっていくものとなり、行動の「継続」が大変重要なテーマとなります。
 
継続支援の方法は、スポルツでは「継続ドライバ」と命名し、その中でも米国で導入が進んでいる「コーチング」に着目しています。
 
そこで今回は、「糖尿病の行動継続支援としての『コーチング』」をテーマに4つの事例を紹介します。
 
・Integrated Diabetes Services LLC
 
・Weight Talk
 
・RiseとNoom
 
 
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Integrated Diabetes Services
 
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■Integrated Diabetes Services
 
・企業名:Integrated Diabetes Services LLC
・企業URL:http://integrateddiabetes.com/
・設立:1995年
・売上:非公開
 
・事業内容
糖尿病患者のセルフマネジメントやインスリン自己注射など、糖尿病患者のセルフケアのための教育プログラムを個人向けに提供。同社の創設者Gary Scheiner氏はCDE(糖尿病療養指導士)でコーチ陣もCDEの有資格者です。(CDE取得者による糖尿病コーチングを最初に提供した企業とも言われています)
 
同社のサービスでは、血糖値のコントロール法、減量など、糖尿病患者が糖尿病を自己管理し、自立していけるようにセルフケアマネジメント・プログラムを提供しています。
 
今回はベーシックサービスである「Diabetes Consulting Services」を紹介します。
 
 
■Diabetes Consulting Services
http://integrateddiabetes.com/diabetes-consulting-service/
 
同サービスは糖尿病コーチによる包括的な支援プログラムです。主な流れは次の通りです。
 
1.事前に送付されるセルフアセスメント用紙の質問事項に記入し、返送する
2.コーチによる初回コンサルティングセッション(60-90分)
 ・受け取ったアセスメント用紙に基づき、現在の状況を確認
 ・話し合いと目標の設定
 ・インスリンや投薬治療プログラムの作成
 ・アセスメントを基にしたセルフマネジメントの教育
 ・その他
3.自宅でプログラムを実践する
4.月に一度、フォローアップのコンサルティングセッション(30-45分)
 
同サービスの期間は3か月、6か月、12か月とあり、患者が糖尿病のセルフケアができるように支援します。
 
コーチングは同社の施設で行いますが、電話、メール、チャット、ビデオ通話なども可能です。(価格は、アポイントの時間帯によって変動)
 
 
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Weight Talk
 
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■Weight Talk
 
・企業名:Alere Wellbeing, Inc.
・企業URL:http://www.alerewellbeing.com/ 
・設立:2001年
・売上:推定18億円(D&Bグローバル調べ)
・事業内容:法人向けウェルネスプログラムの提供
・実績:これまで750以上の企業/事業者にサービスを提供している
 
■サービス概要
 
電話によるコーチングを基本とした、3種類のプログラムを提供
 
1.Quit For Life:禁煙プログラム
2.Weight Talk:減量プログラム(糖尿病の人向け)
3.Lifestyle Coaching:全般的な健康改善と体調の向上を目指す
 
今回はWeight Talkに注目してみます。
 
 
■Weight Talk
http://www.weighttalk.net/iu/
 
同サービスは米国糖尿病学会(ADA)の協力のもとに開発されたプログラムで、コーチとの電話によるセッション(全12回)、ウェブサービス、プログラムガイド本が主体となっています。
 
期間は6か月間で、食習慣や運動の改善、ストレス軽減などに関する10の行動習慣を実践していくというカリキュラムです。
 
<サービスの流れ>
 
プログラムに登録する
ウェブサービスにアクセスし、カリキュラムを確認
担当コーチとの最初のセッション。ここで減量目標を設定し、カリキュラムに沿って食事や運動に関する具体的なプランを策定する
ウェブサービスで10の行動習慣を学習し、与えられる課題を実践していく。さらに体重や食事、運動などのデータを記録する
指定した日時にコーチと電話セッションを行う。進捗状況を振り返り、改善点を探る。カリキュラムの課題についていけるようコーチが具体的なアドバイスや励ましを与える
 
 
■10の行動習慣(The 10 Essential Practices)
 
1.全粒粉の食事をベースにした食事法の実践
2.座っている時間を減らして運動を増やす
3.自己育成法によるストレスマネジメント
4.ポジティブ思考で消極性を打ち破る
5.自宅や職場といった周辺環境を整える
 
6.食事、運動、睡眠時間を確保するためのタイムマネジメント
7.外食時にも良い食事を選ぶ
8.運動や食習慣でさらにスキルアップ
9.リバウンドを避ける
10.自分の価値を認識し、モチベーションを維持する
 
※参考
http://www.weighttalk.net/iu/about-the-program/10-essential-practices/
 
 
 
■コーチングの内容
 
・コーチは参加者の記録したデータを共有し、進捗状況を確認していきます。そして10の行動習慣がうまく身につかない場合、相談にのって解決策を指南します。
 
またeレッスンや動画、ポッドキャストやウェイトロスのコツといったウェブのコンテンツを最大限活用するよう参加者を励まします。
 
他にもウェブサービスのコミュニティには利用者だけでなくコーチ陣も参加しており、質問を投げかけたり、コーチたちの過去の回答を参考にしていくこともできます。
 
同サービスでは担当コーチに加え、管理栄養士が食事プランの策定時など、必要な場合に随時相談に加わってくれます。
 
このようにコーチは目標やプランの設定、振り返り、教育、褒めることや励ますこと、相談に乗りアドバイスを送ることなど、継続のための様々な支援を行います。
 
コーチが認知行動療法、社会認知療法、モチベーショナルインタビュー(動機づけ面接)などの知識を持っており、それらの理論に基づくモチベーション支援に力を入れることが特徴です。
 
※参考
http://www.alerewellbeing.com/_assets/cms_uploads/WT_%20Program%20Sell%20Sheet.pdf
 
 
 
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RiseとNoom
 
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■Riseの糖尿病コーチング
 
・企業名:Rise Labs, Inc.
・企業URL:http://rise.us/
・設立:2013年
・事業内容:携帯アプリを通して栄養士からの食事指導を受けられるためのマッチングサービス、プラットフォームの提供。
・価格:基本プランは48ドル/月
 
・サービス概要:スマートフォンを使った栄養指導のコーチング。コーチが毎日の食事指導を行い、利用者は自分の食べた食事の写真をコーチに送信することで、改善などのアドバイスや励ましがフィードバックされる。
 
同社のコーチ陣はすべて管理栄養士で、中には糖尿病患者を専門分野としている人もいます。コーチは症状に合わせた食事指導を行うと共に、患者の食の好みを尊重しつつ、血糖値に注意しながら献立を選ぶ方法を教えてくれます。
 
 
 
■Noomの糖尿病コーチングについて
 
・企業名:Noom Inc.
・企業URL:http://us.noom.com/
・設立:2008年
・事業内容:健康/ウェルネスアプリの提供
・実績:3,200万人が同社のアプリをダウンロードしている
 
同社のアプリシリーズには、法人向けの糖尿病予防アプリ「Noom Health」があります。
 
※Noom Healthページ(法人向け)
http://us.noom.com/health/
 
同アプリは米国の糖尿病予防認定プログラム(The Diabetes Prevention Recognition Program)において、モバイルアプリとしては初めて準認定されたものです。
 
食事や運動の記録をつけ、医療機関や企業側が専用ダッシュボードと分析ツールを使い、利用者の記録を確認しながら経過観察していきます。
 
同サービスでは、プログラムに準拠したバーチャルコーチからのアドバイスが送られます。バーチャルコーチは食事や運動の履歴、目標の達成度に応じて、その日にするべき課題を送信したり、食事記録へのフィードバックを伝えたりします。
 
また同社は、2015年2月に法人向け健康プログラムを提供するViridian Health Managementと提携し、より専門的な糖尿病予防プログラムを開発することを発表しており、同社のバーチャルコーチング機能の今後も注目です。
 
 
 
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糖尿病とコーチング
 
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今回は、「糖尿病」をテーマに「コーチング」という切り口で、米国の注目事例を紹介しました。
 
「糖尿病(2型)」の場合は、望ましくない生活習慣を続けた結果発症するものであり、患者はそもそも継続に大きな課題をもっています。
 
今回紹介した事例は、そうした患者に対して、「コーチング」という技術を使って継続を高めようとする流れです。
 
日本でも近年、糖尿病の医療現場でコーチングのエビデンスがとられており、今後日本でも、糖尿病の有効な継続手法として、ビジネス化されていくはずです。
 
 
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