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【今週のビジネスコンセプト編 テーマ】
 
 健康サービスの分母 : 大川 耕平
 
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技術シーズが先行して開発される新しいヘルスケアサービスモデルのひとつの傾向として「明後日のイノベーション」とボクが呼んでいる現象があります。
 
理想的なソリューションを理論的に組み立ててしまう動きです。
 
とても社会的価値もあり、なるほど素晴らしい!耳聞こえもいいし、文脈も心地よい。ハードメーカーが組み立てるハード+サービスモデルにこのパターンが多いです。
 
独自の世界観で健康価値を追求しようとしてしまう動きでもあります。
独自の価値観が先進的だからいいでしょ!?と言われても多くの健康消費者にはその価値が分かりません!
理論的にそのサービスを使うことが健康貢献につながったとしても自分の生活の実際性との間に深いギャップがある
 
このようなケースのビジネスモデルがとても多いのが現実です。
 
では駄目なのか?
 
駄目じゃないです!
 
でも、このままでは駄目なのです。
 
「明後日のイノベーション」が今という現実から離れているとすると、その価値を実感できない今を生きる我々にとっては理解できないのです。理論的に正しくてもです。
 
多くの健康消費者が未体験のイノベーティブな提案はチョイスできないという単純なトラップにハマっている優秀な技術背景をもつサービスがいっぱいあるということなのです。
 
提供側が創出する価値のマグネット効果を期待するコミュニケーションは、ヘルスケアの場合はブレイクするまでにとても時間がかかります。
技術シーズ主体でアプローチすると、このタイプに陥りやすい。
 
明後日を今日の今に再チューニングする必要があります。
 
我々はこのようなケースに対してのアプローチとして、既に存在している健康消費局面と新サービスを結びつけてみることを提案しています。
 
ある活動量計デバイス+トラッキングアプリサービスに対して
 
●腸内健康を気にしてヤクルトを飲んでいる40代男性と30代女性に対してどのような価値提案ができるか?
●エナジードリンクを常用している30代男性にどのような生活品質アップ提案ができるか?
 
既に存在している健康消費場面で具体的な見込み客を想定した価値提案を考えてみるとそれまでのサービス開発の穴が即発見できます!
 
現実的に健康消費をしている健康消費者ニーズにマッチするか?
事前期待をつくることができるか?
期待に応えられるか?
 
特に食をベースとした健康消費場面で自社サービス価値提供ポイントを探すことが持続的なプロセスデザインにとっても有効であることが分かってきました。
 
これは食生活が健康行動の基本中の基本であるからだと考えています。
その食生活と連動できるサービスは健康向上アウトカムと寄り添える可能性が高いと言えると考えます。
 
健康サービスの分母として食生活と連動したプロセスデザインにとっても大きな可能性を感じています!!!!
 
 
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大川耕平(おおかわこうへい)プロフィール
健康&ウェルネス業界における新事業開発から人材育成、ナレッジ強化、ビジネスマッチングサポートを展開中。
1999年創刊の健康ビジネス情報メールマガジンHBW(ヘルスビズウォッチ)の読者は約1000社のビジネスユーザ中心。読者とのミーティングセッションに力を入れている。
・HBW(ヘルスビズウォッチ)発行人
・プロジェクト・マネジメントスペシャリスト
 
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