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●ビジネスモデル事例 【KidsHealth】   
~「教育+エンターテイメント」で子供向けの健康情報を提供~
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家庭、学校でのインターネット利用が進んでいる米国では、このところ
子供向けコンテンツの提供がひとつのトレンドとなっています。オンライン
玩具販売のe-toys、大手プロバイダーのAmerica Online(AOL)などをはじめ
子供向けの情報提供の動きが活発化しています。今回のKidsHealthは、
親向け・子供向け・10代向けという3本の柱で健康情報を提供するサイトです。


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【KidsHealthの概要】 
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サイトの概要は以下のとおりです。
■サイト名:KidsHealth
■サイトアドレス:
http://www.kidshealth.org/
■ビジネス対象タイプ:B-C
■運営企業:The Nemours Foundation
■収益源:非営利の財団


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【KidsHealthの特徴】 子供向けにゲーム感覚で楽しめるコンテンツを提供
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KidsHealthの主なコンテンツは、以下の3種類です。
・Parenents(親向けの子供の健康情報)
・Kids(小学生までの子供向けの健康情報)
・Teens(10代の子供向けの健康情報)
特に、Kidsの「The Game Closet」では、以下の4つのようなコンテンツで
ゲーム感覚で楽しみながら健康と身体について学ぶことができます。

■How the body works
身体の内部の働きについて、アニメーションを使って説明しています。
(筋肉の働き、消化のしくみ、目のしくみ、呼吸システム、耳のしくみ、
血液の流れなど)
http://www.kidshealth.org/misc_pages/bodyworks/bodyworks.html
■Kids Health Recipes
健康によい料理のレシピを紹介しています。
http://www.kidshealth.org/kid/stay_healthy/recipe_links.html
■My body
イラストから身体のパーツをクリックすると、その部分に関連した記事に
リンクが貼られています。
http://www.kidshealth.org/kid/body/index.html
■My journal
病気やケガをしている3人の子供(糖尿病、ぜんそく、骨折)の日記を通して、
患者の気持ちを知り、毎日の生活を疑似体験できます。
http://www.kidshealth.org/misc_pages/journal/


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【KidsHealthからのヒント】 情報を得る過程や方法に楽しみをもたせる!
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■KidsHealthでは、両親・ティーン・子供向けそれぞれに実用的な専門情報
を提供するだけではなく、子供向けには「遊びを通して」複雑な医学情報を
わかりやすく理解できるよう工夫されています。このように情報を得る過程
や方法に楽しみをもたせることは、大きなヒントとなるでしょう。

■近年、日本でも大手企業を中心として次のような子供向けサイトの開設が
相次いでいますが、いずれも「親を対象」とした厳選リンク集のスタイルが
中心です。今後は、健康情報などを含めた専門情報を「子供向け」にアレンジ
して情報発信するサイトが本格的に増加すると考えられます。

・「KidsParty」(科学・音楽・スポーツなどもあるポータルサイト)
http://www.so-net.ne.jp/kids/
・「学研キッズネット」(博物館データベース、親向け情報ページもあり)
http://kids.gakken.co.jp/index.html

■日本の小・中学生の子供を持つインターネット利用者へ向けた調査による
と、子供にインターネットを利用させているユーザーは約6割に達しています。
また今後利用させたいと思っている親を合わせると、子供のインターネット
利用に肯定的な親は9割近くに達しています。今後は、親子ともが納得できる
信頼性の高い情報をいかに提供していくかが課題となるでしょう。

■なお、学校教育においてのインターネット利用についても、着々と進んで
います。1999年以来の文部省と郵政省の共同政策では、2001年までに全国
4万校の小中高校をインターネットに接続することが目標とされ、昨年は
2005年までに全小学校をインターネットに接続するプロジェクトが動きはじ
めました。これを受けて、出版・教育など今後も多数の企業が、教育用
ソフト・コンテンツ開発に参入すると考えられます。

■さらに健康情報の提供においては、家庭・学校の子供向けコンテンツ
のほかにも、今後地域の郵便局・公民館などに接続されるインターネット
を利用する高齢者向けのコンテンツも考えらます。いずれにしても、ハンディ
のある人(この場合は子供で長い文章や難しい単語などが読めない)には
それを感じさせないような使いやすいコンテンツを用意することが重要です。
ますます、「エデュテインメント=教育(education)+遊び
(entertainment)」の視点が欠かせなくなると思われます。

【参考サイト】
・インターネットコム(株)と(株)インフォプラントによる調査(2000年10月)
http://japan.internet.com/research/20001004/print1.html
・平成12年3月教育の情報化についての通産省の取り組み
(2005年までにすべての小学校の教室にインターネット接続を目指す)
http://www.cec.or.jp/e2/seika/tenji/torikumi/index.html
・Eスクエア・プロジェクト
(通産省と文部省による学校のインターネット利用教育の支援プロジェクト)
http://p100.mgt.ipa.go.jp/E-square/

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