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●ビジネスモデル事例【Healthstream.com】

  ~健康関連業界向けのeラーニングサイト~
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米国では、社員の能力開発のためにeラーニングを導入する企業が増えて
います。eラーニングとは、WBT(Web-based training)とも呼ばれ、広く
IT(情報技術)を活用した教育システムのことです。その特徴は、音声・
動画の利用やインタラクティブ性にあり、専門職種の教育にも活用されて
います。

Healthstream.comは、ヘルスケア業界に特化したeラーニング講座を提供
しています。サイトでは、医師向けのCME(Continuing Medical Education)
講座はもちろん、病院の社員研修用など豊富な講座を提供しています。

※CME(Continuing Medical Education)
米国の医療従事者(医師や検査技師など)に義務づけられる、継続的な医学
教育。免許・資格の更新時には、この受講証明が必要。


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【Healthstream.comの概要】
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Healthstreamの概要は以下のとおりです。

■コンセプト:ヘルスケア産業のための「eラーニング・ソリューション」提供
■ターゲット
・病院(一般職員・医師・看護婦・救急医療専門家・放射腺技師など)
・個人(医師・看護婦・救急医療士・放射線技師など)
■運営:Healthstream Inc.
■設立:1990年
■収益源:プログラム販売(B-B、B-C)、製薬・医療機器企業の販促支援事業
■サイトアドレス: http://www.healthstream.com/


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【Healthstream.comのeラーニングのしくみ】
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eラーニングのメリットは、受講者が時間・場所の制約を受けないで受講できる
ことです。また、導入企業の人事担当者は、研修コストを抑えて、オンライン
で社員の学習進捗状況の把握ができます。

Healthstream.comの受講者はカスタマイズ・ページを作れ、自分の学習内容を
記録できるだけでなく、提携教育機関の専門家によるオンライン・サポートを
受けることができます。

オンライン・イベントでは、製薬企業や医療機器メーカーの提供する専門ビデ
オ教育を受けることもできます。

※医師向けのオンライン・イベントのページ
http://www.cmecourses.com/gateway/Webevent.cfm?PID=56


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【Healthstream.comの特徴】
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Healthstream.comの特徴は、「コンテンツパートナーの充実」と「対象分野
の幅広さ」にあります。

<コンテンツパートナーの充実>
講座を提供しているコンテンツ・パートナーは、ハーバード大学など主要な
大学の医療センターや保険企業・医学出版社など800社を超えています。

<対象分野の幅広さ>
循環器病、救急医療、内分泌学、消化器病学、血液・免疫学、感染症、
内科学、腎臓学、腫瘍学、呼吸器疾患、リウマチ病学、産婦人科学など。
その他、法律・マネジメント講座などもあります。

※個人向けプログラム検索のページ
http://www.cmecourses.com/Gateway/index.cfm?PID=56
※代表的な病院向けプログラムの例
http://www.healthstream.com/hco/hcocourse.html

受講費用は、1科目5ドル~、医師教育コース109ドル~などさまざまです。


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【まとめ】
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■その他の健康eラーニングサイト

米国には、医療分野の他にもさまざまなeラーニング提供企業があります。
例えば、以下のようなフィットネス・インストラクター向けeラーニング・
サイトもあります。
※Lifetime Health&Fitnessz(フィットネス・インストラクター教育)
http://www.lifetimehf.co.uk/lifetimecourses/instructortraininghome.htm

■日本のeラーニング展開企業

日本でもいろいろな企業が、eラーニング事業を展開しています。ただし、
講座内容は、IT関連・語学・資格取得などビジネス関連がほとんどです。
また、大手コンピュータ・メーカーが、自社のソフトの販売も含めた技術的
インフラとともにeラーニングコンテンツを提供している例も見られます。
※イサイズ・ネットカレッジ
http://www.isize.com/school/
※富士通ラーニングメディアKnowledgeWing net
http://seminar.flm.co.jp/noframes/catalogue/

■健康関連eラーニング事業の方向性

健康関連eラーニング事業の展開には、技術面(インタラクティブ・カスタマ
イズ機能など)とソフト面(最新のコンテンツ・専門的内容)による高度な
サービス提供が必要とされます。日本での健康関連eラーニング事業の課題は、
後者のソフト面の「いかに質の高いeラーニング・コンテンツ(教材)を提供
できるか」だと言えます。当然ながら、海外の最新のeラーニング・コンテンツ
を提供しているサイトと提携することも方法の一つですが、既存のコンテンツ
を「わかりやすく」、「楽しく」加工編集し提供する方法も考えられます。

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