───────────────────────────────────
●ビジネスモデル事例 【米国成長市場レポート(その2)】

  ~「栄養バー(Nutritional Bar)」メーカーのサイト活用法~
───────────────────────────────────

 今回は、前号に引き続き米国で好調な伸びを示す「栄養バー(Nutritional
Bar)」にフォーカスします。米国メーカーの多くはサイトとの連動を積極的
に行なっていますが、米国「栄養バー」にあたる日本の「栄養調整食品」
メーカーの多くは、サイトとの連動にそれほど積極的でないのが現状です。

今回は、サイト活用の進んでいる米国「栄養バーメーカー」サイトに注目し、
日本の健康関連の食品メーカーにとっての「サイト活用のヒント」を探り
ます。


※栄養バーとは
健康によい成分を付加した食品で、手軽に持ち運びができるサイズである点、
栄養価が高く消化吸収に優れている点が特徴。日本では「栄養調整食品」
に位置づけられます。


.........................................................................................................
【栄養バーメーカーの分類】
.........................................................................................................

米国「栄養バーメーカー」は、提供する商品カテゴリーにより以下の4つに
分けることができます。

その1) Enegy Bar系メーカー
    スポーツ選手向けのエネルギー補給用バーを提供。
その2) Meal-replacement Bar系メーカー
    食事(朝食)代わり、間食として用いるバーを提供。
その3) Diet Bar系メーカー
    減量中に使う低カロリー、もしくは空腹感を抑えるバーを提供
その4)Nutraceutical Bar系メーカー
   特定の疾患の治療・予防のための食品系バー

上記4つのカテゴリーごとに代表的メーカーのサイトをチェック、ユニーク
な「サイト活用法」を紹介します。


.........................................................................................................
【Enegy Bar系メーカー】  ブランドイメージの向上
.........................................................................................................

このカテゴリーでは、「Power bar社」「Clif Bar社」のサイトが充実。とも
に、トレーニング・栄養解説を充実させるとともに「ブランドイメージの
向上」を狙った「Sponsership Program」を提供している点が特徴です。

例えば、PowerBar社のSponsership Program「Team Elite」では、プロ選手
だけでなくアマチュア選手にも門戸を広げサイトを使って募集し、栄養バー
やスポーツ用品の支援を行っています。スポンサー提供を受けた選手はサイト
で紹介され、トレーニングのヒントや体験談をサイトで披露する点が特長
となっています。

●Sponsership Programにより「スポーツ競技発展に貢献する企業」といった
企業イメージを確保するだけでなく、Sponsership Programの結果をコンテ
ンツに反映することで「ユーザーとの一体感」を作り上げ、トータルに企業
ブランドのイメージアップに活用しています。

・Power Bar社の「Team Elite」:年間2,000名以上の選手のサポート
http://www.powerbar.com/sports/teamelite/intro.asp

・CLIF BAR社の「Sponsership Program」
http://www.clifbar.com/sports/clifsports/index.html#faq


.........................................................................................................
【Meal-replacement Bar系メーカー】「利用法」充実によるリピーター確保
.........................................................................................................

このカテゴリーでは、「Balance Bar社」「PR Nutrition社」のサイトが充実。
豊富なレシピデータベースや栄養解説などのコンテンツを提供しています。
なかでも注目は、「商品の利用法」を充実させリピート購入に結びつく工夫
をしている点です。

例えば、Balance Bar社の「Interactictive Food Guide Chart」では、栄養
バーを昼食として活用する場合の、1日の食事・間食のメニューを提案。
ユーザーは、1日2,000カロリーの各栄養成分の「必要所要量」を満たす様々
な食事バリエーションを知ることができます。

●このカテゴリーの商品は、主に朝食と間食に使用されます。例えば、朝食
用新商品情報やバリエーションなどを紹介したコンテンツ(単独サイト)を
用意、商品パッケージに「朝食情報コンテンツ(サイト)」があることを
しっかりと記載すれば、商品の差別化にも繋がり、新規ユーザーの獲得にも
効果的と考えられます。

・Balance Bar社の「Interactictive Food Guide Chart」
http://www.balance.com/nutrition/40nutrition/foodguide.asp

※PR Nutrition社
http://www.prbar.com/csp/gsh/prbar/index.csp


.........................................................................................................
【Diet Bar系メーカー】「日常生活サポート」充実によるリピーター確保
.........................................................................................................

このカテゴリーでは、「Slim・Fast Foods社」「kashi bar社」のサイトが
充実。いずれも粉末プロテインやダイエット飲料との組み合わせなどの利用
法を提案するだけでなく、「日常生活」でダイエットの継続をサポートする
コンテンツを充実させています。日々の生活ポイントを細かに提案すること
で、サイトリピート率を高め、商品リピーターの確保を狙っています。

例えば、Slim・Fastでは日常生活における「外食」にフォーカス。フランス
料理・イタリア料理・日本料理など7種類のレストランにおけるメニュー選択
のポイントを解説する「Dining Out」というコンテンツを用意しています。

●このカテゴリーでは、Diet barを使わない普通の食生活に戻した所、体重
が増えてしまったという話をよく聞きます。ダイエット達成後の「Diet barを
使わない食生活への移行の仕方」に重点をおいたコンテンツも必要と考
えられます。

・Slim・Fast Foods社の「Dining Out」
http://www.slim-fast.com/dining/index.asp
 
※Kahi社
http://www.kashi.com/


.........................................................................................................
【Nutraceutical Bar系メーカー】 新しい顧客の獲得
.........................................................................................................

このカテゴリーでは、「Mead Johnson Nutritionals社」「Ensure(Abbott
Laboratry)社」のサイトが充実。生活習慣病の知識やレシピ・栄養解説
コンテンツが中心となっています。

この中での注目は、Ensure社の「Caring for Others」。ここでは、患者を
ケアする家族向けコンテンツを提供しています。具体的には、心理疲労度
チェック・ストレス解消のヒント・サポート団体のリンク集などです。

●生活習慣病の予防・治療には、本人だけでなく家族の人サポートが欠かせ
ません。実際に日々の食事を用意する家族をターゲットとしたコンテンツは、
患者以外の新しい顧客開拓に繋がっています。

・Ensure社の「Caring for Others」
http://www.ensure.com/CareForOthers/CareForYou.asp

※Mead Johnson Nutritionals社
http://www.choicedm.com/index.html


.........................................................................................................
■まとめ
.........................................................................................................

今回紹介した米国の栄養バー企業では、ブランドイメージの向上、リピータ
ーの確保、新しい顧客の獲得など、さまざまなサイト活用法が見受けられま
す。また、それぞれのサイトではサイトの目的(活用法)をフォーカスし
コンテンツを用意している点が読みとれます。今後も、商品開発への活用も
含め幅広い視点でのサイト活用を考える必要があるといえるでしょう。

───────────────────────────────────