キーパーソンに聞く

2011.04.22号 健康習慣を共有して、病気になりにくい体づくりを

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2011.04.22
株式会社ウィルモア
代表取締役社長  石川 麻由 氏

今、健康ネットサービスを考える上でキーワードとなっている考え方に「ヘルス2.0」がある。ヘルス 2.0は最新ITを使い、患者・生活者情報を集め、集合知化することで、健康医療分野での新しい価値提供を目指すもの。米国で大きなムーブメントになっているが、日本で「ヘルス2.0」の考えに近い提案を行っている企業がある。それが今回紹介する株式会社ウィルモア『エブリィウェルネス』というウェブサービス。今回は同サイトを運営する石川麻由氏にお話を伺った。
石川 麻由[ いしかわ まゆ ]
大手インターネットサービス企業、医療情報ベンチャー企業での事業統括などを経て、2009年2月に株式会社ウィルモアを創業。1、2期目は医薬マーケティングリサーチ事業により黒字。
2010年10月に自発的な病気になりにくい体づくりを支援するEvery Wellness事業を開始している。

自分事として取り組む予防を支援

株式会社ウィルモアは、主に製薬企業向けに医師や患者の調査(メディカルリサーチ)を行う。難病を中心として、顕在化されていない声をダイレクトに包括的に把握できる定性調査を行っている。

今回紹介する『エブリィウェルネス』というサイトは、同社の新事業として位置づけられている。『エブリィウェルネス』は2010年10月にスタート。生活者が自分の予防方法を投稿し、様々な集計を行い「集合知」として見ることができる点が最大の特長である。

『エブリィウェルネス』を立ち上げるきっかけとなったのは、リサーチを通じて、予防の重要性を再認識したため。

「心臓疾患や脳疾患、がんのような重篤な疾患は、一度なってしまうと元の健康体に戻すことは容易ではないかもしれません。もしかするとやりたいことをあきらめたり、意図せず心身ともに病人としての生活を送るようになることがあるかもしれません。
しかし重篤な疾患においても、すべてにではありませんが生活習慣の改善が発症、再発、重症化予防にプラスに作用することもあると言われています。また難病をもっている人でも普段健康体の方でも、肩こりや腰痛、緊張型頭痛のような身近な症状に悩まされる方は、老若男女問わず多くいらっしゃいます。

病気になる前に、症状で悩まされる前に、自分の努力でできる範囲から、生活者が自分事として生活習慣から、身近な疾患・症状の再発、発症、重症化リスクを低減する支援ができればと思ったことがきっかけです。 特に、『エブリィウェルネス』では、痛み、苦痛にフォーカスしています。

そして、一人ひとりが自分事として自発的に体の状況を把握しながら、ワクワクしながら健康管理できる社会。 そのことで、早期発見や、一方で軽症でありながらのコンビニ受診、安易な夜間・救急受診減、そして軽症での欠勤による経済損失減への貢献においても意識していきたいと考えております」

具体的な予防のコツを集合知にする

『エブリィウェルネス』の特長を見てみよう。
現在、同サイトが扱う健康テーマは、花粉症、睡眠障害、アレルギー性鼻炎、肩こり、腰痛、緊張型頭痛など。痛みや苦痛があり、再発しやすい身近なものである。こうした病気、症状には様々な対策がある。

「これらの症状を経験した人は自分に合う対策を常に探しています。今までのウェブサービスでは対策が散在していて、対策の種類を一元化して見えなかったり、定量的な処理はなく、どのような対策が取られ、客観的に何が有効なのかがよく見えませんでした。
そこで『エブリィウェルネス』は、具体的な対策を集め、選択肢をマインドマップ形式で一覧化し、生活者の意識、動態を定量化して見せるなど、情報を並べて比較検討できるよう俯瞰で表し、予防意識のある方の意思決定に直接貢献したいと考えています」

例えば「睡眠障害」のコーナーでは、さまざまな治療法が「やったことある順」「やってみてよかった順」で見えるだけでなく、「予防選択肢all」というボタンをおせば、食事、休養、入浴、運動・ストレッチなど分野別にどれくらいの人が行っているかを%表示し、定量化することで対策を選ぶ目安となる情報も提供している。
投稿された予防法によっては、専門家のアドバイスをつけることも行っている。生活者の予防策については、その情報を見る第三者のためにも、客観的な専門家のアドバイスがあることでより冷静な判断もできるという意味もある。医師の方など専門家の方にとっても、活用できる場にしていきたいとのこと。

今後の展開

「諸準備を整えてきまして、今後は登録なしでも、誰でも気軽に見られるようにすることで、いますぐに知りたいという方にリーチできるようになります。
また、現在は予防法を掲載してくれた人にポイントを付与しているのですが、『エブリィウェルネス』らしいポイントの活用など実施していきます。また今後はナレッジを軸としてサービスの幅を広げ、随時、新機能を搭載していきます」

『エブリィウェルネス』では、急遽この4月に新しいコンテンツをスタートさせた。

「今回の東日本大震災では『エブリィウェルネス』としても何かしたいとの思いから、被災対策ページを準備しました。長引く被災生活において注意したい対策を集めております。すでに多くの対策が書かれています。これらの情報が皆さんにとってお役に立てればと思っています」

自発的な予防習慣を支援し医療社会に貢献することを目指して立ち上げた同サイト。生活者同士で高め合っていくヘルス2.0の考え方に基づいているなど、日本では新しいサービスのスタイルとなる。同サイトの今後の動きにぜひ注目したい。

[ 取材日:2011年4月5日 ]

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