キーパーソンに聞く

2010.06.28号 からだで感じる食事力

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2010.06.28
有限会社クオリティライフサービス
代表取締役  小島美和子/今川博喜 氏

職域(働く場)と地域(生活の場)で、「管理栄養士の専門性を生かした健康・食生活に特化した企画・開発・食教育事業」を展開している有限会社クオリティライフサービス(以下QLS)のお二人の代表、小島美和子さん、今川博喜氏にお話を伺った。
小島美和子/今川博喜[ おしまみわこ/いまがわひろよし ]
◇小島美和子
有限会社クオリティライフサービス 代表取締役
管理栄養士、産業栄養指導者、ヘルスケアトレーナー、栄養情報担当者(NR)、健康運動指導士 
中高生時代は短距離ランナーとしてジュニアオリンピックにも出場したスプリンター。女子栄養大学卒業後、食品会社での商品開発業務、大学病院等での臨床栄養指導等を経て、クオリティライフサービス設立。各種講師、テレビ、ラジオへの出演。雑誌等での監修、執筆などでも活躍中。クライアント企業様からの依頼業務だけでなく、クライアント様自身の健康度を上げることを心がける。自身も「健康の表現者」をめざしランナー向け食生活アドバイスサービス「RUN!× 食NET.」も主宰。現在各種マラソン大会に出場中!
◇今川博喜
有限会社クオリティライフサービス 代表取締役
健康運動指導士、ヘルスケアトレーナー、心理相談員、温泉利用指導者
学生時代、箱根駅伝で雪の降り積もる6区山下りを経験。卒業後は、百貨店催事担当、民間・自治体の健康増進施設の総合コンサルティング、温泉利用型リゾート&地域健康増進施設で施設統括管理等経験後、クオリティライフサービス設立。社内では個性的な管理栄養士集団のマネージャー役。現在もコンディション維持のため、ミニ駅伝から100kmマラソンまで各種大会に出場中。

栄養の専門知識をベースとしたサービスの可能性はこれから!?

「具体的にサービス展開を説明しますと、職域では若年層の健康教育、特定保健指導を行いますが、例えば健診データやアンケートをもとに企業全体の傾向、職種や部署単位の傾向などを分析し、最適なアプローチ、ツールの選択を心がけています。また、保健指導サービスを展開されている企業へのサポート・アドバイスも行っています。

一方、地域では、食品商社、スーパー、総菜店などの食品関係企業、スポーツクラブなどの健康増進施設、 メディア関係企業でのサービスプログラム・コンテンツの開発を行っています。さらに、保健指導専門職・食生活サービスご担当者向けのワークショップ・講座の企画・講師派遣などが我々の仕事となります」と今川氏。

約13年前に起業したときには同じ領域のサービスを行っていた会社がほとんどなく、管理栄養士の専門性も社会的にまだ十分認知されておらず、企画提案サービスの価値をクライアントに認めてもらうのに苦労されたという。そのような経験を経てQLS社は独自ノウハウとして保健指導メソッドを確立しており、小島さんは「成果を出すのが専門職であり、専門家だからこそできるベストな提案をひとつに絞ることが出来なければならない」と言う。

買い物かごで分かる家庭の健康状態!?

小島さんは起業前、健診機関で人間ドック・健康診断後の栄養指導を担当していたとのこと。「わたしがそこで強く感じたことは、対象者の生活に近い場でのアドバイスが必要だということでした。年に1回お会いする人の生活はなかなか見えず、結局毎年同じことをお話して終わるということも多いからです。生活に近い場として、食生活に密着するところに、スーパーや総菜店などがあります。起業後すぐから、実際に現場でのアドバイスの取り組みを始めました。

お店で最初に感じたことは、買い物かごの中身とお客様の体格には相関があるな、ということです。実際には難しいですが、レジ前で「この肉はこっちに変えた方がいい」「もうちょっと野菜を足した方がいい」などアドバイスできれば、その家庭の健康度は大きく変わると思います。買う時点である程度のバランスがとれていれば、その後の調理段階の注意点は油の使い方くらいで済みます。

スーパーでは、「買い物ツアー」というイベントを行っています。実際に売り場を回りながら、「2人家族なら野菜はこれくらい必要」とか、「栄養成分表示はこう見る」などと教えて、買い物かごのバランスは、こんな感じというように教えています。
買い物かごのバランスがざっくりとでもイメージできれば、それだけで効果は大きいと感じます。

新たな提案『食事力』

「栄養素」や「健康」「ダイエット」などの情報が氾濫していて、それらの情報をどのように取捨選択していいかわからない人が多いように感じます。知識を得ることには熱心でも、自分に合う形で取り入れている人は意外と少ないのが現状です。

「これだけ情報が増えたのに、不健康な人が増える一因だと思います。頭で理解することも大事ですが、その前に動物としてからだで感じることはもっと大事です。からだの状態によって『からだによい』食品や栄養素は違ってきます。万人に、いつでも『からだによい』食品や栄養素はないのです。からだの状態は人によって違いますし、同じ人でも日によって違います。ですから、まずは自分のからだの状態を感じ、今の状態に合わせて食べるという食事のコントロール力が大事なのです。このコントロール力を『食事力』と言います。

実際、トップアスリートは知識が豊富というより、このコントロール力(=食事力)に優れています。トップアスリートでも、常にベストコンディションで大会に臨めるわけではないので、その時のコントロール力が結果に大きく左右するのです。
これは、一般人にも言えることです。どんなにハードワークをしている人でも、きちんと食生活をコントロールできている人がたくさんいます。食事力を身につけることは、ビジネスの成功にもつながると考えます」

今後強化していきたいサービスは?

「現在2つの大きな柱があります。ひとつめは健康サービス企業のお客様向け食生活サービス・コンテンツ開発です。 最初は小さな現場からのスタートでしたが、最近では大手通信キャリア様にも我々のコンテンツを採用していただいています。
ふたつめは、健康サービス企業の従業員の健康教育です。自社の健康・食関連商品・サービスを展開するうえで、まず自身の健康への意識を高め行動することはとても重要です。それらが、開発・生産・営業場面で大きな推進力となり、質の高いサービスを生み、お客様への説得力が断然違ってきます。なにより従業員の健康度を高めると、職場の雰囲気が変わります!」

栄養の専門知識を背景に「一人ひとりが夢や目標に向かって、質の高い生活を送ることができる社会を実現するまで、私たちは食生活からサポートしていきたい」というQLS社への健康ビジネス企業からのオファーは益々増えていきそうだ。

[ 取材日:2010年6月16日 ]

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