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2014.3.25
一般社団法人 日本スポーツ&ボディ・マイスター協会
理事長 阿部 雅行 氏

2010年に一度インタビューし、その後の活躍についてずっと再度聞きたかった方のひとりが阿部さんだ。ちょとずつやるタイミングが早く、流行る前に辞めていくタイプの事業者がいる。そこを越えるにはきっと力強い理念が必要なんだと思われる。明らかに阿部さんたちもやるタイミングが早かった事業者だ。さて、その変化を踏まえて今の状況を伺った。
プロフィール
阿部 雅行[あべ まさゆき]
みずほCB出身、教育ベンチャー数社を経て現職。元体重90キロ。健康こそビジネス成果の源泉をモットーに社会人向けに参加しやすい健康イベントや資格講座を年間200回開催。学生向け産学連携講座や町おこし企画等にも従事。自身もアイアンマン、サハラ砂漠マラソン、津軽海峡横断、スカイダイビング等を楽しむ。明大経営卒。早大院スポーツ科学博士後期課程(裸足ラン研究)、社会起業大学講師。

基本コンセプトは変わっていない!

まず最初に、もう一度日本スポーツ&ボディ・マイスター協会のコンセプトを伺った。
 
「3つあります。
①健康を獲得したいと思っているが一歩踏み出せない社会人に、健康になる機会を提供すること
②健康増進の分野で人の役に立ちたいという志の高い方(=ソーシャルスポーツリーダー)に、活躍の場を提供すること
③法人企業向けに、社員の健康度の高さ=会社の業績の高さ、という啓発活動を通じて日本の企業の躍進を支えること
です」
 
基本的には設立から変わってはいないのだと思うが、率直に4年前と今の一番の違いは何だろうか。
 
「①②の感度がとても高くなってきています。特に、①に関しては、ソーシャルスポーツリーダーを目指す方が4年前の5倍以上に増えてきました。②に関しても、『経営と健康のプログラム』が充実してきたこともあり、法人企業様のニーズに合わせたカスタマイズプログラムを即応できるようになりました」
 
様々なアクティビティを提供している中で、JOYRUNはとっても時代性に合ったアクティビティプログラムだと思うが、どんな背景で企画したのだろうか。
 
「最近はそうではないですが、JOYRUNをはじめた2010年頃はサブスリーやサブフォーを目指すことに重点を置いたスポーツプログラムやクラブ等が多い中で、『走る=速さ』だけでない『走る=楽しい』という気付きで生まれたのが『走る+スイーツ』のJOYRUNです。とにかく運動してほしいので敷居を低くしています。
最近ではその発展形で山に行くのはきつい感じがするけど、トレイルをしたいという方々に向けた『街トレイル』等もやっています。とにかく心理的バリアを低くして、誰でも参加しやすい形を心がけています。まぁ、私自身が和菓子・スイーツ大好きというのもありますが(笑)」
 

コーポレイトヘルスへのアプローチ

企業向けの健康サポート的な事業が好調と聞いている。
その内容を伺った。
 
「詳細な研究結果が日本にあるわけではないですが、健康と業績、健康と経営とのつながりを確信しはじめている経営者が増えてきています。健康な社員が多いほど業績が上がるという実感値があるのでしょう。
 
喫煙者を採用しない制度を導入している会社が出てきたのも一例ですね。企業の能力開発研修の中にインストラクターを派遣して、『健康と仕事のパフォーマンスの関係』や『睡眠量と食事内容と運動頻度』等に関する知識やスキルを学ぶパートを入れて啓発するケースが増えてきています。
 
特徴は、派遣するインストラクターが経営やビジネスの知識も豊富であること。人財も目線も教育体系も、経営と健康を同列に扱うスタンスが強くなってきているように思います」
 
 
最後に、今後のビジョンについて伺った。
 
「2020年の東京五輪をトリガーに、その後の50年を視野に入れて医療費の削減といったコストビヘイビアと、日本国民の老若男女の健康度の向上、日本企業の業績向上といった売上コスト両面を視野にいれて、個人と法人向けの健康と経営にフォーカスした人財育成プログラムを通じて、良い国づくりに貢献したいと思っています」



取材後記:
実はアメリカで成功している健康サービスはB2Cで切磋琢磨し、B2B2Cにシフトしたものが多い。特にコーポレイトヘルスに対する阿部さんたちのアプローチは既存の保健衛生産業とは違った切り口となり可能性を感じるのはボクだけではないはず!!
 
 
 
インタビュアー:大川耕平
 
[取材日:2014年3月10日]