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<<今月のテーマ:米国ダイエット支援型ポータルサイトにおける差別化戦略>>
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●海外健康インターネットビジネス最新ウォッチ
●特集 米国ダイエット支援型ポータルサイトにおける差別化戦略


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<海外健康インターネットビジネス最新ウォッチ>
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■消費者のニーズに合ったサプリメントをオンラインでパック販売
http://www.drugemporium.com/

DrugEmporium.comとCustomSupplements.comが共同で、消費者向けに
個々のニーズに合わせてカスタマイズされたサプリメント一式をオン
ライン販売するサービスを開始する。

■機能性健康食品e-ビジネスをサポートする新サイト
http://www.hlnt.net/press/2000/apr13.html

Healthnet International Inc.が、機能性健康食品販売企業のネット市場
への参入サポートするサイトwww.ehealthshops.co.ukを開設。同社のプレス
リリースによれば、機能性健康食品の市場は今後6年間で83%の増大が見込ま
れるという。

■B to B 食品マーケットプレース、飛躍的な伸びを見せる
http://www.Globalfoodexchange.com/gfeApr10.html

食肉と水産物を主に扱うbusiness to businessの無料会員制マーケット
プレース型サイトGlobal Food Exchange.comが自社サイト上で業務成績を
発表。昨年10月以降の新規登録者が週あたり20%増(総計1,600人)、
総取引量は約1650トン(3.3 Million Pounds)に達する。

■食品業界の2大団体、e-businessへ向けての協力関係を結ぶ
http://www.fdi.org/newsrm/000410foodlink.htm

食品業界の2団体、Food Distributors International (FDI) と
the Food MarketingInstitute (FMI) が、business-to-businessの
オンラインマーケットプレースの開設に向けて合意した。共同運営サイト
を今夏に開設する模様。


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<特集 米国 ダイエット支援型ポータルサイトにおける差別化戦略>
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米国では個々の健康テーマに絞ったポータルサイト(以下セグメントポータル
と呼ぶ)が現れているが2000年4月15日、ダイエットに絞った本格的な
セグメントポータルサイトnutrio.comがオープンした。

nutrio.comではダイエットに関わる要因である「Nutrition(栄養)」、
「Fitness(運動)」、 「Mind & Body(心と体)」という内容について
「個人がライフスタイルを変えるために役立つパーソナル情報」を専門家
が提供し、ダイエットを行う人のDestinaion(出発点)となることを目標
としている。

http://www.nutrio.com/


【nutrio.comの主なメニュー】

nutrio.comの主なメニューは以下のとおり。

■Weight Loss Wizard(ダイエットパーソナルプログラム)
「Nutrition」、「Fitness」、「Mind&Body」について合計18の質問に
答えると各人に合ったパーソナルダイエット改善プログラムが表示される。
その内容は「Nutrition」、「Fitness」、「Mind&Body」ごとに総合的
ライフスタイル評価&アドバイス(Assessment)、標準的な改善プランや
ガイド、実行のコツ、やる気の向上など多岐に渡る。

■Tools(ダイエットを支援する各種ツール)
Ideal Weight(理想体重を計算)、Body Mass Index(肥満度の測定)、
Calorie Burn(運動別カロリー消費計算)、Food Analyzer(食品ごとの
栄養成分表)、Target Heart Rate(心拍計算)、Fast Food Facts(大手
ファーストフードとファミリーレストランのメニューごとの栄養成分表)
が用意されている。

■その他
Marketplace(提携企業へのリンクにより商品の購入が可能)、
Newsletter(メールマガジン)、Ask the Experts(専門とのF&Q)、
Message Boards and Live Chats(掲示板とオンラインチャット)など
が用意されている。


【nutrio.comの差別化戦略のポイント】

nutrio.comはどのようにしてサイトを差別化しようとしているかポイント
を3点に絞ってまとめてみる。

(差別化ポイント1)多様なポータルサイトとのアライアンス(提携)

nutrio.comのアライアンスは個々のメーカーとではなく「関連するポータル
サイト」が中心である。ポータルがポータルと手を結び波及効果を狙って
いる。主なアライアンスは以下のとおり。

<ターゲット層ポータルとのアライアンス>
■womensconsumer.net(女性専用のポータルサイト)

<ダイエットを支援するポータルとのアライアンス>
■ダイエット本(Amazon.com)
■ダイエット食品(vitamins.com)
■ダイエット情報(doctalk.com、benefitnews.com)
■ダイエットスポーツ用品(shopsports.com)

(差別化ポイント2)ライフスタイルを提案するカスタマイゼーション

今までのダイエットにおけるカスタマイゼーションでは肥満の根本的な
原因である個々のライフスタイルについて総合的にアドバイスを行う
サイトはあまり見られなかった。
しかし、nutrio.comのWeight Loss Wizard(ダイエットパーソナルプログ
ラム)中の例えば「栄養面のアドバイス」では食事の注意点、外食の仕方、
1日の水の摂取方法、アルコールの摂取方法、食事スピードまでかなり
詳しいカスタマイゼーションが行われ、個々のライフスタイルの提案を
無料でしてくれる。また、ダイエットの必要のない人に対しては今の状態
をキープするプログラムが表示されるように設計されており、ダイエット
に成功した人も続けて顧客としてキープできるように設計されている。

(差別化ポイント3)ダイエット支援型ナレッジの提供

サイトにおける情報は受け取った人が行動して初めて「価値ある情報」
に変化するが、nutrio.comはサイト全体に渡って「ダイエットを支援する」
ために単なる情報(データレベル情報)でなく、Tools (ダイエットを
支援する各種ツール)、Weight Loss Wizard(ダイエットパーソナルプロ
グラム)などを中心に「ダイエットという行動に結びつく情報(ナレッジ
レベル情報)」を提供しようとしている。


【サイトウォッチングメモ】

nutrio.comの収益源は広告収入とMarketplaceの取引手数料であり、
このビジネスモデルのポイントは「ターゲットのダイエットに関する
ブックマークの一番になり、何度も使われること」にある。そのために
nutrio.comは「ダイエットという行動に結びつく情報(ナレッジレベル
情報)」によって顧客から信頼を得ることをビジネスのスタートと考えて
実践している。

nutrio.comはまだオープンしたばかりのサイトなのでどの程度のアクセス
や収益が上がっているかは定かではないが、nutrio.comのような「顧客を
支援する」言い換えれば、「顧客が使い倒したくなる」サイト構築方法は
重要なヒントとなる。

また、nutrio.comのMessage Boards(テーマごとの掲示板)はMotivate Me!
(やる気のでない時)、Recipe Exchange(ダイエットレシピーの交換)、
Fit Friends(フィットネスフレンズ)など7つのテーマに分かれており、
その発言コメントを分析してみるだけでもダイエット消費者のニーズ分析
や新商品開発に役立つであろう。


※参考:「男のダイエットビジネス」可能性研究レポート
http://www.project-garage.com/hbr/theme/repo_men_diet.php

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