「中年期での運動開始は禁煙と同等に男性の寿命を延ばす」

今村 貴幸

こんな記事がHealthDayジャパンの海外最新医療情報に掲載されていた。

50歳で運動を始めることにより、男性の寿命が2年以上延びる可能性があるということが、スウェーデンのUppsala大学外科学のKarl Michaelsson博士らの研究によって明らかになった。

追跡調査期間中の死亡率は、座りがちな生活を送る男性が最も高く、身体活動レベルが高い男性が最も低かった。また、50歳時に運動レベルが最も低かった男性に比べて、最も高かった男性では平均2.3年、中等度では1.1年寿命が長かった。禁煙との比較では、死亡率の低下は禁煙の場合と同じであった。

 これらの研究結果は、運動が非常に身体にとって有益であり、重要であるかが示される結果と言える。

 運動が身体にとって良い結果をもたらすということは、現在でも多くの本や雑誌などの情報を通して周知の事実といっても構わない。しかし、運動を継続的に行うには、本人の意思が最も重要で、周りの環境や運動の楽しさが必要になってくる。現在、様々なところから運動を楽しくするツールが販売されている。しかしながら、本人の危機感や意思の低さ、周りの環境からなかなか運動を継続できないでいる人は多いのではないであろうか。

 運動をすることで男性の寿命が延びるとすれば、将来の健康感も大きく変わってくるかも知れない。つまり、現在の平均寿命と健康寿命の差が縮まれば、活動的な高齢者が増加し、社会的な状況も大きく変化するかもしれない。