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[ヘルスコーチングの視線編] 2015年7月28日号
           ≫≫≫Author:里見将史
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HealthBizWatchで「ヘルスコーチングの視線」を担当します里見将史です。
今回はなぜ「ヘルスコーチング」に注目が集まっているのか、その背景について考察したいと思います。
 
日本における健康ビジネス拡大に向けた課題解決ヒントの一つだと我々は考えています。ピンときたら是非ご意見ください。
 
 
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【1】特集:ヘルスコーチングの視線編
---ヘルスコーチングが注目されている背景
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「4つのリスク」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内調査レポート、海外デバイス動向など6本
 
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【1】特集:ヘルスコーチングの視線編
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【テーマ:ヘルスコーチングが注目されている背景】
 
 
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1.「人」の存在に注目が集まってきている米国ヘルスケアサービス
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昨年くらいから急に米国のヘルスケアサービスの中で「ヘルスコーチング」というキーワードが多く使われはじめています。これまでICTを駆使してサービスの効率化によるスケールを追求してきた中で「ヘルスコーチング」といった「人」が絡む、効率化とは相反するサービスへとシフトしてきている流れには、ヘルスケアサービスの現時点の課題と大きく関係しています。
 
そこで、今回はヘルスコーチングが注目されている背景について、お話します。
 
◇継続率改善が大きなテーマ
日米のヘルスケアサービスの成功事例、特に継続的に利用されているサービスを見ていると利用者をしっかりと見守っているサービスが多く、特に「人」が介在したサービスモデルが多くなってきています。やはりICTだけに頼った「継続利用」へのアプローチではなく「人」の存在を演出したり、人を介在させて「継続利用」の課題を解決しようという流れになっています。
 
◇「人」が寄り添うことの価値の提供
ヘルスケアサービスを見てみると、ICT完結型のサービスよりも「人」が直接対応するサービスの方が、価値を感じる傾向が高いと言えます。「人」が寄り添うことで利用者を見守り、パーソナライズすることで個別対応といった価値の提供につなげていっているのです。
 
 
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2.米国でのヘルスコーチングの動き
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そこで、海外での「ヘルスコーチング」のサービス事例を見ていきたいと思います。
 
◇実績を上げている「メディファスト」
10年間売上を伸ばし続けてきたダイエット食品企業ですが、この企業の商品販売の継続支援の核にヘルスコーチングを取り入れ、売上の64%に貢献しています。現在Fitbitなどのモバイルツールを活用したヘルスコーチングで顧客の拡大を図っています。
 
◇「ウェイトウォッチャーズ」の新たな取り組み
世界最大のダイエットセンター「ウェイトウォッチャーズ」も、昨年12月からネットサービスの中で「コーチングサービス」の提供を開始しています。ここ数年無料のダイエットアプリの影響で業績が低迷していると言われている中、ダイエットアプリとの違いを明確に打ち出す戦略としてネットサービスの中に「人」が介在する「コーチングサービス」を提供してきました。
 
・パーソナルコーチングサービス
 
 
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3.寄り添うポイントは「ティーチング」から「ヘルスコーチング」へ
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人が寄り添うヘルスケアサービスがこれまでにも数多く存在していることはみなさんもご存知だと思います。では、これまでの人が寄り添うサービスと「ヘルスコーチング」では何が違うのでしょうか?
 
◇従来型の「ティーチング」
これまでの人が介在するサービスは、指導するいわば「ティーチング」が主体でした。そのため、知識提供はできるのですが、本来の健康行動に結びつかない、行動が継続できないといった問題点がありました。
 
◇行動の継続を支援する「ヘルスコーチング」
ヘルスコーチングの基本的なアプローチは、健康に向けた行動変容を支援することを中心に据えて寄り添うアプローチです。ヘルスコーチングは、これまでの「教える」「指導する」アプローチではなく、目標に向かって行動を自走できるように寄り添うところがこれまでとは大きく異なる点です。「ヘルスコーチング」は本当の意味での「継続」に向けたアプローチなのです。
 
 
今回は「ヘルスコーチング」が最近注目されている背景をお話ししました。
「ヘルスコーチング」が実際にどんなアプローチで、ヘルスケアサービスの中でどんな提供事例が出てきているのかなど、今後シリーズ化して「ヘルスコーチングの視線」で突っ込んでお話ししていく予定です。ご期待ください!!
 
また、「ヘルスコーチング」に関してヘルスケアサービスの中に組み込む際の「ヘルスコーチング」のコミュニケーションのポイントなども整理しております。そのため、対面や1対1が基本として考えられていた「ヘルスコーチング」を我々はITCを活用してシステムやコミュニティ、そしてコンテンツなどとも組み合わせて提供することが可能です。
 
 
ヘルスケアサービスへの活用や運用についてサポートしていますので、ご興味ある方は是非ご覧ください。
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「4つのリスク」
 
1)負うべきリスク
自分の成長のために必須となるリスクのことです。
 
2)負えるリスク
自分の実力にあったリスクのことで自らを鍛え向上することによってより大きなリスクも負えるようになります。
 
3)負えないリスク
自分では対応不可能なレベルのリスクのこと。
 
4)負わないことによるリスク
この4番目のリスク認識がその人の継続的な成長や進化を決める重要な鍵となります。
 
あなたのサービス現場のリスク認識はどうなっているでしょうか?
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ!
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[1]オールアバウトと富士山の銘水、粉ミルクの調乳時に使用する水に関する調査【PDF】
現在乳児がいる母親の7割が育児の中で大変なことは「夜泣きや夜中の調乳などによる寝不足」と回答。さらに、3人に1人が「調乳する際に使用する水」の知識が曖昧であることが判明。(2015/07/15)
 
[2]ウェルビー、塩野義製薬 糖尿病患者さまサポートアプリ「わたしケア」にWelbyサービス採用
今回、塩野義製薬が提供を開始したスマートフォン用アプリ「わたしケア」は、タイプ判定・学習・記録の3つの機能を搭載。この「わたしケア」のプラットフォームに、ウェルビーのクラウドサービスが採用された。(2015/07/15)
 
[3]プラネット、汗拭きシートに関する意識調査【PDF】
汗拭きシートの使用状況について、全体では26.9%と4人に1人が愛用中。男女比で見ると、男女ともに働きざかりの30代の使用率が高く、30代女性に至っては45.2%と約半数が使用している。(2015/07/17)
 
[4]シード・プランニング、市場調査レポート:オバマケアと米国医療ITイノベーション最新動向調査
5月に実施した「米国 オバマケアと医療IT視察」の報告書。最先端のスタートアップ15社、優良なスタートアップの育成・支援3社、最先端の病院2施設を視察。
 
[5]世界初のApple Watch用スイミングアプリに世界が注目!
イギリスのテクノロジー・スタートアップActive in Time社が、世界のスイマー待望のApple Watch専用スイミングアプリを開発。トラッキング機能が自動的に心拍数や消費カロリー、何回のストロークで何本往復したのかを表示する。(2015/07/15)
 
[6]自動的に摂取したカロリーを測定するデバイス『Healbe GoBe』
Healbe GoBeは、自動的に皮膚を介して細胞中のグルコースを読み取ることにより摂取したカロリーを測定するデバイス。類似の単なるマニュアルカロリー・トラッカーとは違い、当て推量、追跡とロギングなしで正確にカロリー摂取と燃焼量、活動中の代謝率を算出する。(2015/07/15)
 
 
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