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[モバイルヘルス&アプリ動向編]2016年5月17日号
          ≫≫≫Author:渡辺武友
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モバイルヘルス担当の渡辺武友です。
 
モバイルヘルスが注目されるようになったのは、米国で2007年にiPhoneが発売され、翌2008年にmHealth Summitがスタートしたタイミングです。2008年からすでに8年が過ぎ、現在の市場はモバイルヘルスの中だけでは語れなくなってきました。
今回はモバイルヘルスの次のステップとなる『IoTヘルスケア』について考えていきたいと思います。
 
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
---「モバイルヘルスから『IoTヘルスケア』へ」
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「共感の磁力はミッション」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 体験型健康支援プログラム、海外 テレヘルス最先端APIなど、7本
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
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テーマ:モバイルヘルスから『IoTヘルスケア』へ
 
IoTのヘルスケア(予防)活用はすでにはじまっています。今回は高齢者市場でIoTを活用し、サービス提供しているIndependa(インディペンダ)社の取組みを見ていきましょう。
 
Independa過去に紹介した事例(2013年):
 
 
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1、Independa(インディペンダ)とは
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Independaは、「高齢者の自立問題を再定義する」ことをスローガンに2009年に設立された企業です。彼らのアプローチは、家族と同居していない付きっきりの介護を必要としない1人(もしくは夫婦)暮らしの高齢者が自立して豊かに暮らすための支援です。単純に見守るだけではなく、離れて生活する家族と適度なコミュニケーションが取れ、普段は高齢者が自分自身で生活できている達成感を得られるようIoTを使ってサポートしています。
 
ABOUT:
 
 
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2、IndependaのIoT(ハード面)
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Independaは、スマートテレビIndependaTV(LG製)を起点に複数のIoTデバイスと連携しています。
スマートテレビでは、服薬や日々のスケジュール管理、家族とのコミュニケーションツールとして。血圧計などと連動した健康管理やドアや窓の施錠(防犯)管理など複数の機能があります。(※契約により組み合わせパターンあり)
 
THRIVE IN PLACE BLOG:
 
 
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3、IndependaのIoT(ソフト面)
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ハード面だけでは、日本でも提供されているIoTを活用した高齢者見守りサービスと何ら変わらないように見えます。Independaが他と違う特長的なところはソフト面(バックヤード支援システム「Angela」)にあります。
ただし、現在のwebサイトではソフト面の詳細情報が公開されていませんので、以前公開されていた情報の中からポイントになる部分を紹介します。
 
<バックヤード支援システム「Angela」>
・高齢者と家族のコミュニケーションサポート
家族が高齢者にいつ連絡を取ってあげるとよいか、適切な質問はどういったものか、などをアドバイスする。
 
・家族によるスケジュール管理
診察日などの高齢者自身のスケジュールから、家族の誕生日やイベント日時など、忘れてはいけない情報を本人に変わって登録できる。
 
視点は「家族が管理してくれる」ではなく、高齢者自らがデバイスを使って自分でできているという満足感と自信につなげているところです。
現在はIndependaTVのコミュニケーション機能を活用して、離れた家族がどのようなタイミングでコミュニケーションを取るとよいか、子供夫婦の場合、孫の場合などシチュエーションに合わせ、離れていても寂しくならない(孤立させない)、コミュニケーションのあり方を提案しています。
 
 
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4、健康ビジネスにこそチャンスとなる『IoTヘルスケア』
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現在の『IoTヘルスケア』として議論されていることの多くは、医療データの活用による遠隔医療などを中心とした、提供者視点によるIoTでの技術活用です。つまり「ユーザー(患者)は適切な医療情報さえ与えれば、率先して健康行動を取ってくれるだろう」と考えられています。
HBW読者である皆さんならよくご存知と思いますが、ユーザーはそう単純ではありません。多くの場合、からだに良いことだとわかっていても、行動に移せないのが実態です。
ユーザーが自発的に動くきっかけを与えることにかけては、我々健康ビジネス・プレイヤーのノウハウを活かすことができます。健康ビジネスのサービス視点は『IoTヘルスケア』が成立するのに不可欠な要素であるといえるでしょう。
 
 
来週24日(火)はモバイルヘルス勉強会を開催します。今回紹介したテーマにもつながる「ICT技術×サービス」として、すでに実績をあげている
 
Karada Manager(ネオス)、あすけん(ウィット)、Noom(Noom Japan)
 
の各マネージャーが登場し、パネルディスカッションを行います。IoTへサービスを組み合わせるヒントを得られる場となります。
ぜひご参加ください。
 
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「共感の磁力はミッション」
 
健康サービス現場でお客様の共感を得る磁力があるとすれば、それはサービサー側に共有された明確なミッションです。
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <7クリップ>
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[1]サンスターグループ、「健康道場ツアー」一般販売開始
社員向け福利厚生施設「心身健康道場」で培った健康法を楽しい旅の形で提供する体験型の健康支援プログラム。(2016/05/19)
 
[2]らでぃっしゅぼーや、dショッピングで販売開始 肥満遺伝子タイプ別「健康弁当」新登場【PDF】
「健康弁当」は、肥満遺伝子タイプ別にメニューが構成され、肥満遺伝子タイプ(糖質で太りやすい、脂質で太りやすい、筋肉がつきにくい)に合わせた食材で作られた弁当。遺伝子検査の第一人者であるネオリア社と共同開発。(2016/05/11)
 
[3]矢野経済研究所、2016年版 パーソナルヘルスケアサービス市場の現状と展望 ー2035年ライフ・デザインに向けてー
パーソナルヘルスケアサービス展開企業のビジネスモデル及び、事業概要等について取上げ、今後の同事業の市場性等を展望。注目される全国の自治体における健康マイレージ事業を特集、など。
 
[4]Acer、自転車専用コンピュータ『Xplova X5』発表
「Xplova X5」のカメラでは720pの動画が撮影可能。走行スピードやユーザーの心拍数、GPSなどをベースにアルゴリズムが自動的に面白そうなシーンを撮影する。(2016/04/27)
 
[5]MyTelemedicine.com、Webとモバイルでのテレヘルス最先端APIを発表
新APIは、ヘルスケアやウェルネス各社に「安全なビデオや電話経由で医者との円滑なリアルタイムアクセスを可能にし、また患者とその会員に向けてカスタマイズされたテレヘルス体験を提供する」とされている。(2016/04/27)
 
[6]予測:ウェアラブルは2021年に9760万台に到達する
Tractica社のリポートによると、ヘルスケアウェアラブルデバイスの世界全体での販売数値は2016年の250万個から2021年には9,760万個まで伸びるとしている。さらに、ヘルスケアウェアラブル売上は同年1,780万ドルに達すると予測する。(2016/04/28)
 
[7]Nokia、デジタル健康機器メーカーのWithingsを1億9,100万ドルで買収へ
NokiaはMicrosoftに携帯電話事業を売却した後、新しい焦点領域を探していた。3月にNokia technologyのRamzi Haidamus社長は、未来はデジタルヘルスと共にあることを示唆。(2016/05/06)
 
 
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