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[ヘルスコーチングの視線編]2016年6月28日号
          ≫≫≫Author:里見将史
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「ヘルスコーチングの視線編」では、前回から実際にヘルスコーチングをサービスとして取り組んでいる現場の方々の生の声をインタビュー形式で紹介しています。
 
前回は、NPO法人ヘルスコーチ・ジャパンの最上輝未子代表に、糖尿病に特化した糖尿病療養指導のためのコーチングプログラム「糖尿病コーチング」に関してのインタビューを紹介しました。
 
さて、今回2回目は株式会社エムティーアイ(以下、エムティーアイ )の「CARADA」のサービスで提供している「MY栄養コーチ」でのITを活用したヘルスコーチングのアプローチについて、「MY栄養コーチ」を現場で作り上げてきている管理栄養士の川端史紀さんにインタビューさせていただいたのでご紹介します。
 
 
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【1】特集:ヘルスコーチングの視線編
---「ヘルスコーチング最前線インタビュー:MY栄養コーチ」
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「inside out」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 健康食品利用調査、海外 スマートウォッチ動向など、9本
 
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【1】特集:ヘルスコーチングの視線編
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テーマ:「ヘルスコーチング最前線インタビュー:MY栄養コーチ」
 
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1、「MY栄養コーチ」のサービスについてお聞かせください。
 
(川端氏)
病気になりにくい身体、太りにくい身体づくりを目的として、健康診断の結果の改善や減量を栄養士がマンツーマンでサポートするサービスです。極端な食事制限などによって一時的な効果にとどまるようなやり方はしません。バランスのとれた食生活を習慣化するためにどうしたらよいのかを一緒に考え、サポートします。
 
 
 
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2、専門の栄養士が生活習慣改善をサポートする「MY栄養コーチ」の提供に至った経緯をお聞かせください。
 
(川端氏)
当社のヘルスケアサービスの目指す姿として、例えば「トップアスリートのように専属のドクター、専属の栄養士、専属のトレーナーが選手のパフォーマンスを最大限に引き出す環境を、テクノロジーの進化によって一般の人に届けられるようにする。」というのがあります。今回は、それをイメージした第一弾として栄養士のサービスに着手しました。
 
当社にはもともと、活動量計や体組成計などで歩数や活動量、睡眠の質、体重、体脂肪を記録・管理できたり、健診結果のデータを記録できるサービスがありますが、以前は、そこから得たデータを基に問題解決につなげることが十分にできていませんでした。そこで、栄養士がデータをみながら生活習慣の改善をサポートするサービスを開発しました。
 
 
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3、「MY栄養コーチ」で「ヘルスコーチング」のアプローチ、コミュニケーションを活用した理由、思いを教えてください。
 
(川端氏)
私がこれまで経験してきた栄養指導は、コミュニケーションの主体が専門家側にあり、専門家からお客様に対して一方的に情報伝達するようなスタイルでした。
 
コミュニケーションの主体がお客様側だとすれば、私たち専門家がすべきことは、答えを与えるのではなく、答えを引き出すことです。そのためには、聞き上手&質問上手である必要があり、且つ、そのコミュニケーションは相手の価値観や性格に合っていなければなりません。
 
ヘルスコーチング的アプローチには、コミュニケーションを通して、お客様一人ひとりに最適な支援を提案するための「おもてなしの技術」が詰まっています。
 
 
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4、これまでの栄養指導、食事指導のアプローチと「MY栄養コーチ」のアプローチで大きく異なる点はどんなところでしょうか?
 
(川端氏)
「習慣化」に向けたアプローチがメインだということです。通常の栄養指導でも「習慣化」という言葉は出てきますが、アプローチ方法が明確ではありません。人の心を動かすための知識やスキルが必要になるので、そういったことも踏まえて、当社の栄養士は、継続的に研修を取り入れながらスキルアップを図っています。
 
 
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5、「MY栄養コーチ」の中で、対応する専門の栄養士が、特に気をつけている点、意識している点はどんなことがありますか?
 
(川端氏)
無理をさせない、頑張らせないということです。例えば、無理をして食事を制限したり、頑張ってたくさん歩いたりしても、「それを習慣にできますか?」と問えば、みなさんノーと答えます。一時的な効果はもたらされますが、根本の改善にはなりません。また、リバウンドを招くような改善の仕方は、危険も伴います。
 
私たちは、個々人にとって理想的な「バランスのとれた食生活」を身に付けていただくためのサポートをします。
 
 
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6、「MY栄養コーチ」で実際にサポートした方々から、どんな変化がありましたか?「ヘルスコーチング」のアプローチならではの変化や反応をお聞かせください。
(川端氏)
「特に何も変えていないのに」「今のような食生活をするだけできちんと痩せるのは正直ビックリ」「食べる量が増えました」「栄養士との会話が楽しかったです」というような声をいただいています。
 
バランスを重視した習慣化に向けたアプローチが、「痩せるためには食事制限が必要なのでは?」「ラーメンやお酒はやめなきゃいけないんじゃないの?」というような認識を持っている方に、驚きを与えているようです。
 
 
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7、オンラインでのヘルスコーチング、コミュニケーションで難しい点などあればお聞かせください。
 
(川端氏)
基本的なコミュニケーション技法が通用しないのが難点です。
例えば、Face-to-faceであれば、会話に緩急をつけたり、声色をかえたり、非言語的コミュニケーションを使ったりすることができますが、オンラインではそのようなアプローチはできないので、伝わるように伝える手段が限られてしまいます。
 
お客様の本音や温度感をつかむのはとても大変ですし、そこが読み解けなければ、的外れなアプローチをしてしまいかねません。
 
 
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8、今後「MY栄養コーチ」での「ヘルスコーチング」で特に力を入れていきたい部分などお聞かせください。
 
(川端氏)
栄養学の知識だけでなく、ヘルスコーチングには心理学や行動科学の要素が含まれるので、専門家のクオリティー担保については特に力を入れています。
 
実際に、栄養コーチの育成研修を通して「とても勉強になりました」「これが私のやりたかった栄養指導です」「もっとヘルスコーチングを学びたいです」というような意見が研修後の栄養士から出ています。
 
これまでの栄養指導では十分に学ぶことができなかったアプローチ方法が、MY栄養コーチを通して習得できる証なのだと思います。
 
また、コーチングのシステム化に向けた施策にも力を入れていきたいと思っています。
 
 
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9、今後「MY栄養コーチ」をどんな領域に拡大していきたいですか?
 
(川端氏)
環境が整えば医療分野など、あらゆるライフステージで課題となる健康問題への対応も検討していきたいと思っています。
 
それと並行して、他の専門家との連携も考える必要があります。さらに、ノウハウ構築に向けた取り組みも大事な視点になります。
 
 
 
今回は、株式会社エムティーアイの「MY栄養コーチ」でのITを活用したヘルスコーチングについて管理栄養士の川端史紀さんへのインタビューをご紹介しました。
 
私(里見)も、この「MY栄養コーチ」では、ヘルスコーチングのコミュニケーションに関して、監修者として協力させていただいております。
 
ヘルスコーチングのコミュニケーション技法については、オンライン上での活用が今後ますます注目されていくのは間違ないと感じています。
 
 
次回の「ヘルスコーチングの視線」、ご期待ください!
 
尚、今回インタビューにご協力いただいた川端さんには、「栄養のプロが勧めるオンラインサービス活用法」についてもインタビューしております。
 
こちらについても是非ご覧ください。
 
 
 
【『ヘルスコーチング』プライベートセミナー】
プライベートセミナーは、お客様のご要望に合わせ、場所、日時、参加人数を決めていただき開催する個別セミナーです。
 
プライベートセミナーではヘルスコーチングに関してプロジェクトメンバー全員での共有し、質疑応答では貴社の展開を踏まえたディスカッションも可能です。是非ご活用ください。
 
『ヘルスコーチング』プライベートセミナーの内容は以下にてご確認ください。
 
 
 
【セミナーのお知らせ】
 
7月9日(土)、株式会社オージースポーツ様主催のセミナーで弊社里見が「ヘルスコーチング」についてお話します。
 
保健指導コーチングセミナー
「わかる」から「出来る」へのアプローチ「ヘルスコーチング」する
 
■日時
 2016年7月9日(土)
 13:30-16:30(受付13:00開始)
 
■場所
 大阪市中央区備後町3-6-14 
 アーバネックス備後町ビル3階大ホール
(大阪市営地下鉄御堂筋線本町駅1号出口 徒歩2分)
 
詳しくはこちら!!
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「inside out」
 
サービス品質を磨いていく活動は主体性を持ち合ったチーム活動である必要があります。自分から始めるinside out発想と行動です!
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <9クリップ>
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[1]健康年齢少額短期保険、日本初「健康年齢」で加入できる「健康年齢連動型医療保険」販売開始【PDF】
実年齢によって保険料を設定する従来の保険とは異なり「健康年齢」によって保険料が決まるため、健康な方(実年齢より「健康年齢」が低い方)ほど保険料が安くなる。(2016/06/16)
 
[2]リンクアンドコミュニケーション、「健康食品迷子」増加中?「健康食品」の利用に関する調査結果を発表【PDF】
調査の結果、機能性表示食品への理解があまり進んでいない現状が明らかに。さらに、特定保健用食品や栄養機能食品も含め複数の健康強調表示制度が存在する中、消費者がこれらの制度に対応した健康食品をどのように選択すればよいのか困惑している状況が浮き彫りになった。(2016/06/17)
 
[3]ウィット、会員数80万人の食事管理アプリ「あすけん」にソニーの食事画像解析技術を搭載【PDF】
2012年よりPCブラウザ版「あすけん」に当該技術を搭載し、ソニーはあすけんに蓄積されたデータを3年以上にわたり研究・改良。食事判別精度の大幅な向上を受け、今回スマートフォンアプリ版のあすけんに当該技術を搭載し、一般ユーザーへの公開を開始した。(2016/06/20)
 
[4]電通、「機能性表示食品に関する消費者意識調査2016」を実施
食品の機能性表示制度・機能性表示食品の認知は80.4%で昨年9月より1.3%増、健康機能の表示で魅力が高まる食品はヨーグルト・食用油・お茶、食事の仕方の健康知識も浸透しベジタブルファーストを4人に1人が実践、など。(2016/06/20)
 
[5]カーブスジャパン、今問題視されている“サルコペニア肥満”唯一の予防法は“筋肉”を増やすこと!【PDF】
60代以上の約5人に1人、70代以上では約3人に1人がサルコペニア肥満に該当するといわれている。筋肉が減ることで足腰が弱り転倒して骨折したり、歩くことが億劫になることで寝たきりを誘発したり、認知症のリスクも高まる。(2016/06/21)
 
[6]三日坊主を卒業できる『Google カレンダー』新機能
Googleは、Google Appsのカレンダーアプリに新機能「ゴール」を追加。これは、達成したい目標をあらかじめ設定すると、カレンダーが算出したベストであろう時間に自動で予定を入れる機能。(2016/06/15)
 
[7]心拍計などを内蔵するスマートなトレーニング用スポーツブラ『HERA.TRAINING』
フィットネスを効率よく支援してくれるスマートなスポーツ用ブラジャーがクラウドファンディングサービスKickstarterで支援を募集している。(2016/06/16)
 
[8]子どもに生活習慣を教えるスマートウォッチ『Octopus』
Octopusは、子どもに時刻の概念と生活習慣を身に付けさせるための腕時計。まだアナログ時計の文字盤やデジタル時計の数字を読めない幼児でも理解できるよう食事や歯磨き、就寝といった生活イベントをアイコンで表示する。(2016/06/17)
 
[9]Apple、月額制アプリの適用範囲拡大などApp Storeの大幅改革を発表
最も大きな変更となるのはそのビジネスモデルで、月額制アプリのカテゴリー縛り撤廃や「アップル税」とも呼ばれる売上からのアップル徴収分30%を、15%にまで引き下げるなど、ビジネスモデルの多様化を見込んでいる。(2016/06/17)
 
 
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