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[ヘルスコーチングの視線編]2016年8月30日号
          ≫≫≫Author:里見将史
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この「ヘルスコーチングの視線」では、ヘルスコーチングのアプローチをサービスに取り入れている現場の方々の生の声をインタビュー形式でご紹介しています。
 
前回は、Noom Japan 株式会社代表の濱嵜 有理さんに、AIと専門のコーチによる16週間のプログラム「カラダ改善プログラム」の中でのヘルスコーチング的なアプローチについてインタビューしました。
 
 
さて、今回4回目では、「人を感じる・人が寄り添う」グループダイエット、ラーニング型コミュニティ「Karada Manager オンライン」について、ネオス株式会社ヘルスケアサービス部 ラーニングコミュニティー事業リーダーの藤井早織さんにインタビューさせていただいたのでご紹介したいと思います。
 
「Karada Manager オンライン」は、食生活の改善や筋力トレーニングなど、継続が難しいと言われるプログラムを、オンライン上でのヘルスコーチングや、同じ目的を持つメンバー同士のラーニングコミュニティという要素を加え、継続率のアップ・効果の最大化へと導くサービスです。
 
今回は「Karada Manager オンライン」で、ヘルスコーチングのグループでの活用にフォーカスしてお聞きしました。
 
 
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【1】特集:ヘルスコーチングの視線編
---ヘルスコーチング最前線インタビュー:ネオス「Karada Manager オンライン」
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「マイクロ・イノベーション」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 健康経営銘柄2017、海外 血糖値測定器など、8本
 
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【1】特集:ヘルスコーチングの視線編
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テーマ:ヘルスコーチング最前線インタビュー:ネオス「Karada Manager オンライン」
 
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1、Karada Manager オンラインについてお聞かせください。
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(藤井氏)
Karada Manager オンラインは、弊社が提供するモバイルヘルスケアサービス「Karada Manager」ユーザーのダイエットを支援する目的で、2014年から実証サービスに取り組み、2016年より商用スタートしました。
 
もともとKarada Managerは、2008年にサービスを開始し、食事記録や体重記録をはじめとするレコーディング機能を中心に、美容・健康に関する情報発信や、ECサイト、生理日記録などの女性向けサービスを展開するトータルヘルスケアサービスです。
 
現在ユーザ数は約80万人。9割近くが女性ユーザーで、その主な利用目的のひとつは“ダイエット”です。
 
Karada Managerを運営する中で、ユーザーのダイエットの一番の阻害要因は“続けられない”ことにあると我々は捉えています。例えば、食事記録でも一定期間続けられるユーザーはかなりの高確率でダイエットに成功します。どのような方法でも継続できれば、成果を生むことは難しくないはずです。
 
そこで「人を感じる・人が寄り添う」ダイエットプログラムを提供することで、一番難しい“継続”の部分をサポートできるのではと考え、サービス提供を開始しました。
 
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2、ラーニング型コミュニティとは、どんなものですか?
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(藤井氏)
期間は約2ヶ月間。参加者は5-10名が1グループとなり、そこにヘルスコーチとプログラム監修者(管理栄養士やボディデザイナーなどの専門家)が加わる形でグループ構成されています。
 
おおまかな流れとしては、監修者が毎週1つのお題を提示し、参加者が実践。ヘルスコーチが参加者の行動を後押しします。週に一度、参加者には実施状況を報告してもらい、ヘルスコーチが個々にフィードバックを行います。
 
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3、ラーニング型コミュニティの特長、良さってどんな点ですか?
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(藤井氏)
マンツーマンとは違い、参加者同士お互いの取り組み状況がわかりますし、ヘルスコーチが他の参加者へ行うフィードバックを閲覧することもできます。
 
ですので、参加者同士が励ましあったり、アドバイスし合う場面がよくあります。横のつながりから大きな刺激を受けるのは、ラーニング型コミュニティの特徴だと思います。
 
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4、「「Karada Manager オンライン」のプログラム提供までにどんな実証に取り組んできたのですか?またその時にどんなことが見えてきたのですか?
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(藤井氏)
一番最初はFacebookのグループ機能を使い、社員10名ほどで社内実証を行いました。この時のメソッドは「TABATAプロトコル」というインターバルトレーニングを取り上げました。
さらにKarada Managerユーザーから参加者を募集し、50名ほどのユーザーに協力いただき実証実験を行いました。この時のメソッドはKarada Managerの食事記録でした。
 
これらの実証を通じて見えて来たのは、
・期間は2ヶ月など一定期間に区切る方が効果が上がりやすい
・参加者の集中力を上げるためにも2ヶ月間プログラム化されたメソッドが必要
ということでした。
 
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5、現在提供してプログラムについて教えてください。
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(藤井氏)
現在は、2つのプログラムを提供しています。
 
ひとつは管理栄養士の小島美和子氏が監修の「食コンディショニング実践プログラム」。時間栄養学の理論に基づき、食事の時間や配分をコントロールすることでベスト体重=ベスト体調を目指します。
 
もうひとつはボディデザイナーの森 俊憲氏が監修の「女子の体幹プログラム・オンライン」。初心者向け筋力トレーニング(自重トレーニング)のプログラムで、メリハリボディを目指します。
 
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6、「ラーニング型コミュニティでのプログラム構築のポイントを教えてください。
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(藤井氏)
2ヶ月間、毎週どういったラーニング要素を提供するかは、ユーザの理解度や実行情況を考慮し構成されています。
1週間をワンターンとして、ヘルスコーチが毎日どういった呼びかけを行うか、参加者からのどういったコメントを引き出すか、どのようにコミュニティを活性化させるか、といった点も考慮されています。
 
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7、「Karada Manager オンライン」での「専門家」と「ヘルスコーチ」の役割やコミュニティへの関わり方を教えてください
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(藤井氏)
コミュニティでは、ヘルスコーチが進行役を務め、最初から最後までグループを牽引します。
専門家は、参加者の質問に答えたり、解決策を提示する形でコミュニティに参加しますが、あくまで専門的立場からヘルスコーチを補完する役割です。
 
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8、「Karada Manager オンライン」のプログラムで、特に気をつけている点、意識している点はどんなことがありますか?
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(藤井氏)
入会されてくる方は、ダイエットをして痩せたいという高いモチベーションを持っていらっしゃいますが、コミュニティに参加された時点で満足してしまう方もいらっしゃいます。ですので、いかにダイエットやプログラムへの集中力をキープできるプログラムとなるかがカギだと思います。
 
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9、これまでに参加した方々の「ラーニング型コミュニティ」「ヘルスコーチング」のアプローチならではの変化や反応をお聞かせください。
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(藤井氏)
変化や反応については、「自分という人間がよくわかった」「自分の生活パターンを自覚できた」という感想を多くいただきます。プログラムが進むについて、「私の場合は○○のタイミングが運動しやすい」「○○はダメでも××はできる」など、ご自信の生活を報告されるようになってきます。
 
あとは、アンケートなどでいただく感想として、「他の参加者が、自分では思いつかないような質問をしていて、それに対するコーチ(監修)からの回答がとても参考になった」というもの。コミュニティならではだと思います。
 
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10、「Karada Manager オンライン」のプログラムによる、参加者の身体的な成果、変化などについてお聞かせください。
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(藤井氏)
体重は、最大で-6kgの減量効果があった方がいらっしゃいました。
そのほか「お腹周りのシルエットが変わった」、「パンツのサイズが下がった」「筋力、体力がアップした」「冷え性、PMS(月経前症候群)、便秘が改善した」「腰痛や肩こりが改善した」といった感想をいただいています。
 
「何をやっても続かなかったのが、初めて継続できた」という感想も多くいただいています。
 
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11、「Karada Manager オンライン」での現在の課題や今後について特に力を入れていきたい部分などお聞かせください。
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(藤井氏)
やはり、ダイエットを目的にしているので、まだまだ減量効果という点でプログラムの改善の余地があると考えています。
 
また参加者が増えて、サービスの規模が大きくなるにつれて、ヘルスコーチをはじめとする人員確保、クオリティの担保が課題となってくると思っています。
 
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12、今後「Karada Manager オンライン」をどんな領域に拡大していきたいですか?
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(藤井氏)
現在、実は先にご紹介した2つのプログラムのほかにも、「サブ3塾」というフルマラソンを3時間以内で走ることを目的とした、市民ランナー向けのプログラムを展開しています。
 
今後は、Karada Managerユーザーに向けたダイエットプログラムの充実をはかるのはもちろん、美容や健康、スポーツなどの分野にも領域を広げていきたいです。
 
ありがとうございました。
 
 
 
今回は、「人を感じる・人が寄り添う」ダイエットプログラム「Karada Manager オンライン」におけるプログラム構築のポイントやヘルスコーチング的なアプローチについてネオス株式会社のラーニングコミュニティー事業リーダーの藤井早織さんへのインタビューをご紹介しました。
 
ダイエットの一番の阻害要因は“続けられない”ことにあると捉えて、その一番難しい“継続”の部分をサポートできる形としてヘルスコーチと同じ目的の仲間が寄り添う「ラーニングミュニティ」に痩せるメソッドを組み合わせる形をいくつもの実証を重ねた中から見つけてきています。
 
オンライン上のグループ、コミュニティの中でのヘルスコーチング的なアプローチやコミュニケーションに専門家のコンテンツやメソッドを組み合わせることで、専門家のコンテンツやメソッドが新たなサービスとして生まれ変わることも可能なのです。
「ラーニングミュニティ」というスタイルは、今後いろんな形でヘルスケアサービスの中で展開されていくと思われます。
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「マイクロ・イノベーション」
 
マイクロ・イノベーション。大々的な改革ではなく、日々のちょっとした改善や挑戦、冒険を仕掛けていくことを習慣化したい。0か10かではなく、0.1のしん歩の繰り返し。
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <8クリップ>
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[1]レポート:健康こそ最大の業務効率化!ITOKIが提案するチェンジ・ワークスタイル(マイナビニュースより)
イトーキはオフィスシーンにおける「健康増進」「業務効率化」「知的創造」をアシストする様々な提案を行っている。そのひとつが「健康増進」を促すiOSアプリ「Workcise」。(2016/08/17)
 
[2]ヴェルペンファルマ、好評のマクドナルドでの認知症カフェにて薬剤師によるお薬相談をスタート
マクドナルドで開催されている認知症カフェで、同社薬局の薬剤師による薬や生活習慣についての相談、管理栄養士資格を持つ薬局スタッフによる糖尿病でも食べられる高齢者向け食事レシピ提案などの栄養相談を実施。(2016/08/18)
 
[3]経済産業省、「健康経営銘柄 2017」「健康経営優良法人(ホワイト 500)」の選定に向けた平成28年度健康経営度調査を実施
昨年度に引き続き、東京証券取引所と共同で従業員の健康管理を経営的な視点で考え戦略的に取り組む上場企業を、原則1業種1社「健康経営銘柄2017」として選定する。(2016/08/22)
 
[4]テックファームホールディングス、心身ともに健康な職場を目指す「健康中期計画」を発表ー急増する30-40歳代の社員の健康リスクを「早期治療」から「予防」へー【PDF】
マインドアプローチとして、心身ともに健康であることを目的に「健康増進プログラム」を実施。「Eat(食べる)」「Move(運動する)」「Sleep(寝る)」の3つのテーマに沿った活動をした社員はポイントを獲得し、ポイントに応じた健康増進グッズを提供。活動促進に向けてゲーム要素を取り入れたアプリを自社開発中。(2016/08/22)
 
[5]月桂冠、糖質を極限までカットした日本酒「糖質ゼロ」のパッケージを一新
月桂冠「糖質ゼロ」は日本酒で初めての糖質ゼロ商品として2008年9月に発売。新パッケージには「糖質ゼロ」のおいしさの秘訣となる独自開発の特許製法「糖質スーパーダイジェスト製法」「後味スッキリ製法」の名称を明示。(2016/08/23)
 
[6]クオリティライフサービス、第11回食コンディショニング アドバイザー養成講座
開催日は、2016年12月17日(土)、12月24日(土)の全2回。食コンディショニングを無理なくライフスタイルとして取り入れ、毎日を快適に、いつまでもベストコンディションで過ごす暮らし方を学ぶ資格講座。
 
[7]DarioHealth、ネット接続する血糖値測定器で米国市場における収益が2倍に増加http://mhealthwatch.jp/global/news20160823
DarioHealthは、スマートフォンに接続する血糖値測定器を米国で発売した3ヵ月後、2016年第2四半期において成長率が100%以上も上昇し、669,000ドルもの収益を得たことを報告。(2016/08/23)
 
[8]IBM、新しいマイクロチップは液体生検を可能にする
IBMの研究者たちが、微細粒子を20nmまで分類できるマイクロ流体デバイスを開発。これにより体液からエキソソーム(Exosomes:分泌膜小胞)を分離するのに役立つはずだ。(2016/08/24)
 
 
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