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2019.08.20号 [海外事例にみる企画ヒント編]急成長企業Pelotonを支えるインストラクター

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[海外事例にみる企画ヒント編]2019年8月20日号
   ≫≫≫Author:脇本 和洋
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こんにちは。脇本和洋です。
 
今回の[海外事例にみる企画ヒント編]は、7月号に続きPelotonをとりあげます。同社は、2012年設立後急拡大し、2018年に売上700億円にも達するホームフィットネスで新しい市場を創る企業です。
 
7月号では、サービス特長である「離れていても一体感を感じる工夫」を紹介しました。本号ではサービスを支えている「インストラクター」に着目します。
 
 
参考バックナンバー>急成長企業Peloton社にみる「離れていても一体感を感じる工夫」【2019年7月16日号】
http://www.healthbizwatch.com/mailmagazine/news/855.html
 
 
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【1】特集:海外事例にみる企画ヒント編
---「急成長企業Pelotonを支えるインストラクター」
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「ユーザーが求めていること」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 ウエルネス食品市場、海外 Fitbit動向など、8本
 
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【1】特集:海外事例にみる企画ヒント編
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<テーマ>急成長企業Pelotonを支えるインストラクター
 
 
米国では、2006年からスピンバイク(有酸素と無酸素の激しい運動を行えるエクササイズバイク)を使い、暗がりの中でDJの音楽に合わせて、インストラクターとともにグループで運動するスピンバイクスタジオが数多く展開されています。
 
Pelotonは、忙しくてスタジオに来ることができない人のために、デジタル技術を使って自宅からでもスピンバイクスタジオに参加できるようにしました。
 
本号では、Pelotonのインストラクターの内容や採用育成について紹介しますが、Pelotonは「人とデジタル」が融合した健康サービスです。
 
したがって、
 
・リアル(人)とデジタルを結びつけて新しいビジネスを考えている方
・モノにサービス(人)を絡ませて、競争優位のあるサービスを考えている方
・自宅での運動の継続支援を考えている方
 
には、特に参考になる事例だと思います。
 
では、まずPelotonの事業概要をみておきましょう。
 
 
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Pelotonの事業概要
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■企業名:Peloton Interactive, Inc
https://www.onepeloton.com/
 
■設立:2012年
 
■イメージ動画(1分):サービスイメージがつかめます
https://www.youtube.com/watch?v=a_M7NGB4S_k
 
■資金調達:994億円(2019年7月時点)
※1ドル100円換算
 
■推定売上
・43億円(2015年)
・170億円(2016年)
・400億円(2017年)
・700億円(2018年)
※1ドル100円換算
 
■同社のミッション
スピンバイクスタジオの一体感あるエキサイティングな体験を、自宅からでも体験できるようにする
 
■事業内容
自宅用スインバイクを販売後、クラス受講で継続課金する
<主な収益源>
・ネットに接続できる自宅用スピンバイクの販売(2,245ドル)
・ライブレッスンの動画配信(月39ドル)
 
■サービス概要
Pelotonが保有するニューヨークの最先端スピンバイクスタジオのライブクラスに自宅から参加し、インストラクターとともに一体感を感じながら運動ができます
 
 
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Pelotonのインストラクターたち
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Pelotonには、現在27人のインストラクターがいます(女性16人、男性11人)。インストラクターは、Bike、Treadmill、yogaなどに分かれ、自宅にいる会員に向けてライブレッスンを行います。
 
インストラクターの中でも、事業開始時から参加している2名の女性インストラクターを紹介します。
 
 
■JENN SHERMAN
 
・紹介ページ
https://www.onepeloton.com/instructors/JennSherman
 
JENNは、Pelotonが2012年にプロトタイプを作り、実証実験をしながらサービスレベルを上げていった時から参加しています。つまり、Pelotonが最初に採用したインストラクターです。
 
もともと彼女は自身でバイクスタジオをもっていました。しかし、Peloton創業当時の募集を見て、このコンセプトはおもしろいと思い、自身のスタジオはやめ、Pelotonに参加しました。
 
彼女は、クラス参加を通じて「今日は充実した1日だったと言い切れるようになってほしい。そのために私のエネルギーを受けとってほしい。そんな思いでバイクを教えている」といいます。「汗をいっしょにかき、いっしょに歌おう。励ましの言葉をかけていくので、きっとあなたは達成感を感じます」と訴えかけます。
 
彼女のFacebook(2.4万人がフォロー)内では、自身がどんな人間か、何を目指しているかといった視点で、自己紹介動画を複数アップしており、自己開示を積極的に行っています。
 
Facebookを見る限りでは、やや太めの中高年女性が彼女のファンになっているようです。
 
・JENNのFacebook
https://www.facebook.com/jennshermanfitness/
 
 
■Jess King
 
・紹介ページ
https://www.onepeloton.com/instructors/JessicaKing
 
Jessは、Pelotonがサービスを開始した2014年から参加しているインストラクターです。彼女の売りは何と言ってもセクシーさとショーマンシップ(モチベーションを上げるための掛け声や顧客を喜ばせようとする姿勢)でしょう。Pelotonがサービス開始時に出した多くのイメージ動画は、彼女が乗っていたものです。
 
Jessは、元ダンサーであり、フィットネス業界の人ではありません。ショーとしてどれだけ顧客を楽しませるかといった視点ではとても優れたものをもっていました。また、ライフコーチの資格をもっており、顧客のモチベーションの上げ方も知っています。
 
彼女のクラスのテーマは「内なるものの解放」です。参加者のもっているものすべてを出させる、それを常に意識していると語ります。
 
Facebook(2.3万人がフォロー)や動画を見ると、中高年男性、ファッション感度の高い女性がファンになっているようです。
 
・JessのFacebook
https://www.facebook.com/jesskingfitness/
 
 
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インストラクターの採用・育成の特長
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代表的な2人のインストラクターを紹介しましたが、インストラクターの採用・育成の特長も見ておきましょう。
 
 
■特長1(採用):ミッションに合わせ、インストラクターに求めるものを明確にする
 
Pelotonのミッションは、「スピンバイクスタジオの一体感あるエキサイティングな体験を、自宅からでも体験できるようにする」です。
 
社長のJohn Foley氏は、「我々は単にフィットネス動画をネットで送っているのではない。(エキサイティングな)フィットネス番組をテレビで発信しているんだ」と語っています。また、Pelotonが取材された記事のところどころに、ショーという言葉がでてきます。
 
インストラクターはフィットネスショーを行う人だから、アスリートであると同時に、ショーマンシップのある人(顧客を喜ばせ、モチベーションを上げることができる人)を求めていると考えられます。
 
 
■特長2(採用):能力のある人を異分野からスカウトする
 
今回紹介した二人のインストラクター以外の経歴も見たところ、バイクのインストラクターとしての経験がない人が多いです。Jess Kingが元ダンサーだったように、同社のスカウティングは同業より、むしろ異業種に向いている傾向があります。
 
容姿、ショーの経験、ライフコーチなどモチベーションを上げるスキルを保有していること、実直さ、様々な困難を克服してきた生き方に共感できる部分が多い、といったことを基準にスカウトしているようです。
 
 
■特長3(育成):インストクターと顧客の接点づくりを支援する(ファンとの距離を短くする)
 
バイクの乗り方といった基本的な教育も育成の一つとしてあるでしょうが、同社の育成はむしろ、「顧客との直接コミュニケーションの場を用意し、顧客の声を直接感じてモチベーションを維持すること」に重きを置いています。
 
例えば、各インストラクターには、Pelotonが用意した専用のフェイスブックが与えられ、そこで顧客と直接のコミュニケーションができるようにしています(多くのインストラクターが数万レベルのフォロワーをもち、直接のコミュニケーションをしています)。
 
また、インストラクターは全米にあるPelotonのショールームを訪れ、顧客とリアルに会えるようにしています。
 
こうした場を数多く用意することで、インストラクター自身のモチベーションを維持し、さらにエキサイングな場にもっていくことが、Peloton流の育成といえるでしょう。
 
日本では、スピンバイクの流行が米国ほどおきていませんので、Pelotonのモデルをそのまま日本にもってくることは難しいでしょう。しかし、Pelotonを見て、モノと人を結び付け、新しいビジネスを展開する事例が日本でも増えてくるでしょう。
 
その場合の「人」はどうあるべきかを考える際のヒントにしてください。
 
 
参考>Pelotonのインストラクター一覧
https://www.onepeloton.com/instructors
 
【脇本和洋】
 
 
・参考バックナンバー>2016年から2019年までのPeloton特集
http://www.healthbizwatch.com/mailmagazine/news/029.html
http://www.healthbizwatch.com/mailmagazine/news/482_.html
http://www.healthbizwatch.com/mailmagazine/news/533.html
http://www.healthbizwatch.com/mailmagazine/news/855.html
 
 
【お知らせ:Pelotonの詳細解説の社内研修】
 
今回紹介したPelotonは、「モノ+サービス」で魅力的価値を実現し、急成長しています。立ち上げから現在までにどのような施策をとってきたかをチームで理解することは、フィットネスに限らず新しい健康ビジネスを創出するヒントになるはずです。
 
上記内容がわかる有料の社内研修(説明+レポート)を用意しました。ご興味のある方はお問い合わせください。
https://hbw.heteml.jp/sportz.co.jp/inq/inq.html
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「ユーザーが求めていること」
ユーザーが求めているのは、結果として満足できる価値であり、その手段ではない。
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <8クリップ>
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[1]富士経済、ウエルネス食品の国内市場を調査【PDF】
http://www.group.fuji-keizai.co.jp/press/pdf/190731_19056.pdf
http://www.group.fuji-keizai.co.jp/
調査では、ウエルネス食品市場を15カテゴリー(大分類)に分けて分析するとともに、○○オフや○○ゼロ、減塩、無添加などといった22のウエルネス要素別の市場を分析。(2019/07/31)
 
[2]データヘルス改革とは?2020年に実現する8つのサービスと工程表(ウーマンズラボより)
https://womanslabo.com/c-tips-190801-1
データヘルス改革は、医療、介護、個人の健康管理情報など、これまで分散していた情報を連結してビッグデータを構築し、これを基にAI解析などを加え、データをより実効性のあるサービス提供に活かそうという政策。(2019/08/01)
 
[3]東急スポーツオアシスと回転すしスシローがコラボ、WEBGYM監修!スシローでお腹を満たすだけでなく『#スシレッチ』で身体も癒そう
https://www.sportsoasis.co.jp/co/news/info/det686.html
スシローでの楽しい一コマをシェアするお客様参加型コンテンツ『すしフォト』内のおすしにまつわるストレッチポーズ「スシレッチ」を東急スポーツオアシスが監修。食事の前後や待ち時間に出来るストレッチコンテンツ。(2019/08/05)
 
[4]アルテック、国内初、野菜不足を“見える化”する装置「ベジメータ」ファンケル 銀座スクエアに導入“ファンケル1日分のケール青汁”をベジメータ推奨品に指定
https://www.altech.co.jp/item_news/veggimeter-2-2-3
「ベジメータ」は指先皮膚のカロテノイド量を測定することで、野菜摂取状況を数値として簡単に見える化する装置。この度、「ファンケル ヘルスハウス」において関東で初、そして健康食品メーカーとしては初めて「ベジメータ」が導入された。(2019/08/06)
 
[5]CCCメディアハウス、健康をマネジメントする 人生100年時代、あなたの身体は「資産」である 発刊
http://books.cccmh.co.jp/list/detail/2354/
本書は慈恵医大で「行動変容外来」を開設、新型人間ドック「ライフデザインドック」を始めた著者が「健康マネジメント」の3段階を詳しく解説。今度こそ「実行できる自分」に変わる方法を紹介した1冊。
 
[6]厚生労働省、1,000人規模の「ナイトヨガ」を開催!
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_06092.html
開催日は8月22日(木)。明治神宮野球場にて、普段は入れない明治神宮野球場の芝の上で心地よい風を感じながら行う1,000人規模の「ナイトヨガ」体験会を行う。
 
[7]健康食品産業協議会、オープンカレッジ特別講座「ニュートリション最新事情」ご案内
https://www.aifn.org/aoc/class_info/open1/
開催日は9月9日(月)。定期講座である「業界人のためのサプリメント講座」の特別講座。第1回目は、株式会社グローバルニュートリショングループの武田氏と株式会社ドームの青柳氏を講師に迎え開催予定。
 
[8]『mHealth Watch』注目ニュース:Fitbit、デバイスとスマートフォンのデータを使用して孤独を抱える若者を予測
http://mhealthwatch.jp/global/news20190819
今新たな問題になってきている“孤独”。日本では高齢者の孤独が注目されることが多いですが、若年層においても孤独は課題になってきています。今回は大学生による実験の結果が発表されました。(2019/08/19)
 
 
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