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【海外ユニーク事例編】特集:健康メソッドづくり(調査ステップ)
 
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こんにちは。スポルツの脇本和洋です。
 
本メルマガ「海外ユニーク事例編」は、海外の成功・注目事例を使って
日本の健康ビジネスモデルを強く魅力的にするお手伝いをしています。
 
1999年発刊から、健康ビジネス成功の型の研究しているのですが、
その一つとして、今注目しているのが、
 
「メソッド型ビジネスモデル」
 
です。
 
このモデルは、企業が独自の健康メソッド(健康法)をもち、
それを軸に商品・サービスに展開するものです。
 
例としては、日本のフィットネスクラブで急速に伸びる
カーブスジャパンがあります。同社は30分サーキットトレーニングと
いうメソッドを作り上げ、それを軸に施設サービス、書籍販売などを
行っています。
 
世界に目を向けてみると、このモデルを採用し世界最大の健康サービスを
提供しているのが、「ウェイトウォッチャーズ」です。
 
 
同社のビジネスモデルに関して、今年10月から11月にかけて
セミナー形式でお届けし、約50名の読者の方に
お聞きいただき、おかげさまでよい評価をいただきました。
 
※ウェイトウォッチャーズのビジネスモデル(開催内容といただいた感想)
 
 
いただいた感想で多かったのが、
 
「メソッドづくりのコツは?」
 
というものでした。
 
 
そこで今号では、特集的な位置づけとして、
このモデルの中核となる「メソッドづくり」
について、少し具体的なお話しをいたします。
 
 
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メソッドづくりの基本ステップ
 
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基本は、調査→企画→構築の手順で進めます。
 
●調査
・自社の関わる健康テーマ(ダイエット、睡眠など)には、世界でどんな
 代表的なメソッドがあるか?
・人気が続くメソッドはどんな特長をもっているか?
 
 
●企画
・自社の強みを生かしながら、どのようなメソッドが考えられるか?
・メソッドをイメージするとどうなるか?
・実際にユーザーにぶつけてみて、どうか?
 
●構築
・どのようなイメージで実際に伝えることになるか?
 
今号は、上記「調査ステップ」について、
模擬的にダイエットというテーマで、行ってみます。
 
 
※テーマは模擬的にダイエットとしていますが、
 その他多くの健康・医療・介護のテーマにも応用が利くと考えています。
 
 
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調査ステップその1:世界の代表的なダイエットメソッドを調べる
 
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まず、その健康テーマで先進国がどこかを探し、歴史変遷でみて、
代表的メソッドを探します。
(日本発で世界に通じるメソッドを考えるのですから、
 世界に目を向けましょう)
 
 
例えば、ダイエットなら先進国はアメリカです。
 
2006年-2012年までの歴史変遷でダイエットメソッドを
チェックしてみると、大体30個ほどあります。
 
 
□情報源(一部):ベストダイエット法
 
 
細かく見ると、多くの年度で上位にくる(=人気が続いている)ダイエット
メソッドは10個程度であり、パターンで分類ができます。
 
 
●選択支援型
 
特定の食品を利用するのでなく、自由に選びながらも選び方を学んでいく
というものです。代表例は、ウェイトウォッチャーズのポイントプログラム
です。「選択力が身に着く」という価値です。
 
例>ウェイトウォッチャーズのポイントプログラム
・年齢、性別、身長、体重、目標体重により、1日あたりの持ちポイントが
 設定される。
・市販食品・外食を含むほとんどの日常食品がポイントに換算されており、
 持ちポイント以下なら、何を食べてもよい。
 
 
 
●「食事代替+生活習慣改善」型
 
カロリーと栄養バランスを調整した特定の食品に置き換えるダイエット法
です。代表例は、メディファストの5 & 1 Plan、ジェニークレイグの3ステップ
ダイエットなどです。
「置き換えるだけ」という価値だけでなく、通常食に戻した時にリバウンドが
起きないよう生活習慣も改善しながら行うというものです。
 
例>メディファストの5 & 1 Plan
・一日に6食のうち、同社の5食のダイエット食品におきかえ、残り1食は自分
で用意する。ヘルスコーチがつき、生活習慣改善のコーチングをしてくれる。
 
 
 
●カリスマス指導型
 
運動を中心にカリスマ的トレーナーがいて、食事もバランスを取りながら
行うダイエット法です。
 
代表例は、ボブ・ハーパー、ジリアン・マイケルズが指導をする
「Biggest Loser」です。運動は主にサーキットトレーニング、
食事は4-3-2-1Biggest Loser Pyramid(野菜4、プロテイン食品3、全粒
食品2、その他1摂取する)というメソッドです。
 
例)Biggest Loser
 
 
 
●栄養素着目型
 
特定の栄養素に着目し、推奨にそった食品を中心に選んだ食生活をするもの
です。
 
代表例は、低炭水化物・高タンパクを推奨する「アトキンス」、タンパク30
脂質30炭水化物40のバランスを推奨する「ZONE」、炭水化物と脂質の中で
体によいものだけを食べる「サウスビーチダイエット」の3つです。
 
例>サウスビーチダイエット
 
 
 
以上が世界の最先端メソッドの「型」です。
こんな感じで「型」として調査結果をまとめます。
 
自社のメソッド企画の際、どのような方向性でいくかを決める時に
役立ちます。
 
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調査ステップその2.人気が続くメソッドの特長(成功要因)を調べる
 
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次の調査のポイントは、人気が続くメソッドの特長は
どんな点があるのか?という点です。
 
この分析が、次の企画ステップで大きく役立ちます。
 
例えば、人気のダイエットメソッドなら下記のような点です。
 
 
 
●新しさ
 
今までのダイエット法の「常識の反対をいく」とか「驚き」といった
価値です。
今まで目につかなかった当たり前のことを問題点として位置づけ解決する
ことです。
 
例えば、ウェイトウォッチャーズでは、今まで千単位(4ケタ)で行っていた
カロリー計算を簡素化し、10単位(2ケタ)で管理できるポイントという概念
を入れました。
 
 
 
●わかりやすい(理解しやすい、シンプルである)
 
「一言」で(簡単に)どんなダイエット法かが伝えきれるか?
ということです。
 
例えば、ウェイトウォッチャーズなら、「持ちポイント内なら何を食べても
いいダイエット」といえます。
 
 
 
●信頼性がある
 
実際に体重が減るエビデンスをもっているかということです。
 
例えば、ウェイトウォッチャーズでは、現在の医学的側面の監査委員
(10人のメンバー)がメソッドを最新の医学的見地と照らし合わせて
チェックしています。
 
 
 
●安全である
 
ダイエットを安全にできるかどうかという視点です。
 
例えば、ウェイトウォッチャーズでは、ポイント内で食生活することで栄養の
偏りが起きにくくするため、野菜と果物はゼロポイントとし、いくら食べても
いいよう工夫しています。
 
 
 
●(金銭的・時間的)負担が少ない
 
メソッドを始める・続ける時の(金銭的、時間的)負担が少ないこと。
合理的かどうか(無駄が少ないかどうか)。
すぐにできるかどうかという視点です。
 
例えば、ウェイトウォッチャーズのポイントプログラムでは何か特定の食品を
買わなくても始められるし、毎日ポイント換算するだけなのでそれほど時間
はかかりません。
 
 
 
●ストーリーがある
 
企業としてメソッドに込めた思いがあるかどうかという視点です。
 
例えば、ウェイトウォッチャーズなら、「1963年に設立したダイエットの主婦
サークル(ミーティング)がやがて大きくなる。1997年にイギリスの田舎の
あるミーティング場所で、ある主婦が思いついて実際に行ったポイント換算が
世界で話題になり、その後毎年、世界の利用者の声をグループリーダーが吸い
上げ、最新のものができあがる」といったストーリーです。
 
 
 
●自社の商品・サービスに変換しやすい
 
メソッドを作った後、いかにお金にできるかという視点です。
企業としてメソッドづくりをする場合、単に企業の広報活動で終わるのでなく
自社商品・サービスの販売にどう直結させるかが問われます。
 
例えば、ウェイトウォッチャーズならポイント換算済の食品、調理器具を自社
で販売し、収益をあげています。
 
 
 
●上達を感じやすい
 
メソッドが上手になるとどのように自分はなっていくかイメージできるという
視点です。上手になる途中で、上達心を感じてもらうということです。
 
例えば、ウェイトウォッチャーズなら、ポイントプログラムを使って痩せて、
キープしている人を、ライフタイムメンバー(その後はサービスが無料で受け
られる)として認定し、上達するとどのような姿になるかをイメージしやすく
しています。
 
 
 
以上が、世界で人気の続くダイエットメソッドの特長(成功要因)でした。
 
こんな感じで、「成功要因」として調査結果をまとめます。
 
ここまできて、自社のメソッドを企画する際の要素として活用できます。
 
 
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スポルツの視点:
 
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今回は、今までお届けした内容(一つの事例を紹介する)とは少しトーンを
変え、
 
特集として、
 
メソッドづくりステップの調査部分について、
具体的にお話ししました。
 
 
●世界を前提にメソッドの型と成功要因を捉える
 
 
ということでしたが、イメージいただけましたでしょうか。
 
調査の次には、実際に自社のビジネスに応用する(企画)
が待っていますが、その進め方・コツは来年の特集の際にお伝えします。
 
 
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