キーパーソンに聞く

2019.02.04号 なぜ?フィジカル・ステーションが必要なのか?(後編)

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2019.2.4
カイロプラクティック・ドクター
Scapula 株式会社Bond Company 取締役 CTO
Aub株式会社 Co-founder
株式会社トータルリハビリテーション 代表取締役
一般社団法人腸内細菌検査協会 代表理事
友広 隆行 氏

「フィジカル・ステーション」という極めてポテンシャルある構想を提唱されているカイロプラクティック・ドクターの友広さんにその背景やビジョンを伺いました。
 
(前編はこちら)

プロフィール
友広 隆行[ともひろ たかゆき]
1996年 サンタモニカ大学一般教養学部卒
1999年 カリフォルニア州立大学フラトン校 人体運動学部卒
2002年 ロスアンジェルスドジャース(米メジャーリーグ)トレーナー研修
 
2003年 南カリフォルニア健康科学大学ヘルスセンター インターン
2004年 南カリフォルニア健康科学大学カイロプラクティック科卒
2005年 侍ベアーズ(米独立リーグ)チームドクター兼ヘッドトレーナー
 
2008年 帰国 北原脳神経外科病院にて自由診療科立ち上げ
2012年 (株)トータルリハビリテーション設立 代表取締役 保険適応後のリハビリテーション施設運営
 
2015年 (株)Bond Company設立 取締役 CTO就任 病院から院外薬局の距離で簡単に運動指導が行える施設 Scapula あざみ野荏田店を運営
2015年 元サッカー日本代表の鈴木啓太氏とともにAub(株)設立、トップアスリートの腸内フローラ解析&分析を行い、新しいコンディショニングや健康の指標を提唱している
 
資格:米国及びカリフォルニア州ドクターライセンス(カイロプラクティック)、NATA 認定アスレティックトレーナー(取得後現在は保持していない)
 

帰国後の活動で苦労されたことはありますか?


そうですね、私が日本でやりたかった事のほとんどに日本人が大好きな“前例”というものがなかったので、帰国後ほとんどの活動に苦労しました(笑) 特に一番苦労したのは、私は米国ではドクターなのですが、日本ではそれすらも受け入れて貰えなかったことでしょうかね。カイロプラクティックという分野はまだまだ日本では怪しいと考えている方が多いですよね(笑)
 
元々カイロプラクティックは哲学的な側面が大きい学問ではあります。
その哲学的な部分にいかに科学的根拠を付けられるかが、ここ100年間カイロプラクティックの世界では追求されてきており、実際に証明されてきています。
 
残念ながら現在の日本ではカイロプラクティク資格は存在していないのですが、発祥国のアメリカでは、カイロプラクティックを学ぶ過程で医師(medical doctor)と同じ教育を受けます。
泌尿器科、小児科、婦人科などで学ぶ事もあります。獣医師と同じようにペットや動物を専門に診る方さえもいらっしゃいます。
 
米国のカイロプラクティックドクターには本来、プライマリーヘルスケアといって他の医師と全く同じように、患者さんの整形外科的な物だけでなく内科的な物も含めた現在の状態を把握する、いわゆるファミリードクターのような役割も担っています。それだけ幅広い知識と経験が必要な職業だと言えるかもしれません。
 

友広さんが提唱されている日本のヘルスケア・ブラックホールを解消するフィジカル・ステーションの目指すビジョンについて教えてください


はい、そもそもリハビリテーション(アクティブケア)と予防は一体のもの、リハビリテーションとは現在の障害/傷害のリハビリテーション(Re-Habbit)であると同時に、次の障害/傷害の予防であるべきです。 またその予防を行っていればたとえ次に疾病、傷害を負った場合でもリハビリの期間が短縮されることは簡単に予想できる(プラスのスパイラル)と思うんです。
 
もちろん全てが悪だとは思いませんが、何年も同じ整形外科や接骨院に通う事や投薬だけに頼る事で、医療費の圧迫で負のスパイラルが起きている事は認めざるを得ません。
 
本来の医療とは、患者中心(Patient Center)、患者さんファーストであるべきで、手術か投薬か、以外の第三選択肢としてアクティブケアを行える施設を院外薬局のような場所にフランチャイズ化していくことは、未来の日本ヘルスケアに最も重要な事であると私は考えています。
 
残念ながら現状の日本の医療の多くはDoctor center、ドクターファーストであるのは確かです。
 
多くの場合、選択肢は患者さん側ではなく、医師側にあると言えるでしょう。その選択肢が患者さん側に移動した時に初めて、本当の医療であり、ヘルスケアと呼べるのだと思います。
 
その問題を解決するのは、リハビリやアクティブケアを発展させていく事が最も重要だと私は考えています。それにはブラックホールを埋める、医療とフィットネスジム等の運動施設との懸け橋になるフィジカルステーション構想は新しいヘルスケアのシステムを確立させるとても良い物だと思うんです。
 
そこを担う人材としては、ある程度の医療知識が必要な方という事になるのですが、日本では理学療法士や作業療法士、アスレティックトレーナー、柔道整復師、鍼灸師になると思っています。
 
WHOの規準をクリアしているカイロプラクターも良いと思います。理学療法士さんに関して言えば1年に15,000人も増えているそうで、遅かれ早かれ就職難になるでしょう。という事は保険下のぬくぬくと守られた環境ではなく、保険外診療下で自力、実力で結果を出せる理学療法士さんの教育が必要不可欠になります。全体の人数を含め医療知識も豊富な理学療法士さんが日本では一番適職なのではないかと考えます。
 
色々な所から資本を集め、医師の理解を得て病院と提携し、スキャプラのようなフィジカルステーション施設運営をPTさんやトレーナーが行い、そういった施設が日本中に広がる事こそが、日本のヘルスケアの新しい夜明けになると確信しています。そうすると彼らの教育や再教育、ビジネス的な教育、営業やコミュニケーションの教育、施設もこれから必要になってくるでしょう。
 
そういった医療知識の高い方々の参入こそがブラックホールを塞ぐ唯一の策であり、痛みに苦しむ多くの方を救える方法なのだと考えます。

今後の抱負を教えてください


先に言った、医療知識の高い方々を巻き込みながら活動していくことができたら、もっと日本を元気にしていけると考えています。
 
フィジカルステーションは、病院を入り口として、フィットネスジムやマイクロジムを出口に存在していく訳なのですが、私はこれで新しいヘルスケアのシステムを構築できないものかと考えています。
 
私はアスリートの為に腸内フローラの会社を元サッカー日本代表の鈴木啓太氏と立ち上げたのですが、腸内フローラはこれからの健康やコンディショニングのカギになると確信しています。
 
今後はフィジカルステーションとともにこれまでの1,000検体近いトップアスリートやオリンピアンの腸内フローラ研究を一般の方へ還元していきたいと思っています。そして各方面に対してwin-winの関係性を確立できるようにこれからも努めていきたいと考えています。
 
世の中には、障がい者の方々を含めて動きたくても動けない方や、痛みと常に戦っていらっしゃるような方が沢山いて、私はそういった方々にスポーツの素晴らしさや、身体を動かす事の楽しさを是非知っていただきたいんです。傷害を負ったアスリートの復帰もそうですが、日本をもっと明るく元気にしたいんです。
 
それにはまずわずか3%という日本のフィットネス人口を増やす必要性があります。1週間のうちにストレッチやウォーキングを含めた本当に簡単な体操や運動を行う方でさえ40%にもみたないというデータもあるそうですよね。座っている時間が世界で一番長いのは日本人だというお話しも聞いた事があります(笑)
 
近年カーブスを始めとするマイクロジムが増えてきていますが、そういった所にスキャプラのようなフィジカルステーションから動けるようになった方々を送ったり、健康の指標となる腸内フローラ検査を簡単に行えるシステムを栄養士さんやトレーナーさん達と確立して、日本の健康寿命をどんどん伸ばし、皆さんがカラダを動かす楽しさを更に深めていって頂けるような環境、システム作りに精進していきたいと思っています。
 
 
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Scapula
 
AuB株式会社

 
 
インタビュアー:大川耕平

[取材日:2019年1月22日]

 
 
 
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