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[海外注目企業の継続支援編]2016年3月15日号
          ≫≫≫Author:脇本和洋
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「海外注目企業の継続支援編」を担当している脇本和洋です。
 
今回注目する事例は、
 
・「リバウンドしないダイエット」
 
というダイエットビジネスの本質をつき
株式上場している「Medifast(メディファスト)」です。
 
※参考バックナンバー
 
 
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【1】特集:海外注目企業の継続支援編
---ダイエット上場企業「Medifast」の継続支援
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「食べるを学ぶスタンス」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 スマート病院会計、海外 座り姿勢のトラッキングなど8本
 
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【1】特集:海外注目企業の継続支援編
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【テーマ:ダイエット上場企業「Medifast」の継続支援】
 
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「メディファスト」とは
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■企業名:Medifast, Inc
 
■設立:1993年
■ターゲット:ミールリプレイスメントを使ってダイエットしたい女性でリバウンドをよくしている人
■売上:285milUSD(2014年)(1ドル=100円として約285億円)
(2006年の売上は74億円)
■収益源:ダイエット食品の販売
 
 
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同社の最新ダイエット法(Achieve、Thrive)
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同社のダイエット法は、減量期と維持期に分かれて提案している点が特徴です。2015年にバージョンアップしています。
 
■減量期:Achieve (アチーブ)Plan
 
1日の食事を7回に分けます。内訳は同社の食品(70種類以上のバー、シェイク、スープ、パスタなどビタミン・ミネラルを含み高たんぱく低炭水化物のもの)を4回、Lean&Green食(高たんぱく低脂質+野菜を中心とした食事)を2回、Healthy snack(ヘルシーな間食)を1回食べるというもの。4&2&1プランと呼んでいます。
 
今までの同社の減量期のダイエット法と比べ、Healthy snackを組み込み、無理せず継続しやすいものとしています。
 
 
 
■維持期:Thrive(スライブ)plan
 
体重が落ちた後の維持期のプランです。1日の食事を6回に分けます。内訳は同社の食品を3回、Lean&Green食(高たんぱく低脂質+野菜を中心とした食事)を2回、Balanced Meal(全粒粉を使った食事、果物など)を1回食べるというもの。
 
今までの同社の維持期のダイエット法と比べ、果物といった甘さを感じるBalanced Mealを組み込み、より継続しやすいものとしています。
 
 
 
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同社の継続支援サービスの新たな取り組み
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■ヘルスコーチを増やす
 
ヘルスコーチとは同社のダイエット法を行いリバウンドなしで痩せており、人に教えるトレーニングを受けた人のことです。同社の商品を購入すれば、無料でこのヘルスコーチから電話アドバイスを受けることができます。
 
ヘルスコーチがすることは、単にダイエット法の実践のコツを教えるだけでなく、体重減量の先にある夢を意識させたり、本人が気づき実行する支援を行ったり、ほめることで、「モチベーションの維持」に貢献します。
 
メディファストの商品利用の継続を高め業績に貢献してきたのが、このヘルスコーチングサービスです。
 
2015年、ヘルスコーチングサービスは大きく変わりませんが、ヘルスコーチになるためのページを充実させています。ヘルスコーチを増やし、少しでも多くの人のモチベーションの維持を支援しようとする同社の姿勢が読み取れます。
 
・ヘルスコーチになるためのページ
 
 
■lean&Green食の摂り方を充実
 
同社のダイエット法が続くかどうか、そのポイントは同社が提供する食品以外の食事、つまり「Lean&Green食」をいかにわかりやすく伝えることができるかということでした。
 
2015年では、「ガイドブック」という無料の情報をサイトからダウンロードできるようにしました。
 
 
・工夫1)質と量は数値より直観を重視する
 
質と量が簡単にわかるように、プレート(皿)を使って表現しています。
9インチ(約23センチ)のお皿を用意し、その半分を野菜、その4分の1を高たんぱく低脂質の肉か魚、最後の4分の1を炭水化物といった具合にし、かなりシンプルです。
「継続できる」ことを優先させ、細かいことは排除しています。シンプルで直観的だから続けられると言えます。
 
 
・工夫2)lean&Green食自体も商品化する
同社はlean&Green食自体も「フレイバーズ」というブランドで提供しています。時間のない人はこれを使ってもかまいません。
 
 
 
■先手コンテンツを用意
 
同社のガイドブックには、ダイエットを始めて起こりうる不安や状態を記載し、その時どうすると良いかをコンテンツとして先に用意しています。
 
例えば、ダイエットを始めて2、3日に起きることとして急激な空腹感があり、その克服のために「水」が有効であること、あえて忙しい毎日を送ること、おいしい香りや食べ物を見ないようにすることなどのコツを紹介しています。
 
 
・同社の充実したガイドブック一覧
 
 
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メディファストにみる継続支援のポイント
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今回は、「メディファスト」の2016年の継続の強化点を紹介しました。
同社の取り組みを見ながら、気になる点を整理します。
 
●ダイエット法はシンプルに直観的に
 
効果を出そうとすればするほど、複雑になってしまうのがダイエット法です。あくまで顧客にとってわかりやすく、どれだけシンプルに直観的にするかが継続のためには大切だということです。
 
 
●「人」に見守られながら行う
 
同社では、ヘルスコーチに見守られながら行うということを中心にダイエットの継続を支援しています。「人」に見られている状態を作ることは、強力な継続支援になることは言うまでもありません。
 
※ヘルスコーチングについては弊社里見が本メルマガ「ヘルスコーチングの視線編」で毎回わかりやすく掲載していますので、是非ご覧ください。
 
 
●顧客行動心理の先手をとる
 
継続支援の考え方で重要な点がこの「顧客行動心理の先手をとる」ということです。プロセスに従って不安を事前に想定して、対応するコンテンツを用意しています。
 
 
今回は、ダイエットの成功事例「Medifast」の継続支援を紹介しました。いかがでしたでしょうか。特に食品企業が継続的に商品を利用してもらうためのヒントが豊富な事例だと思います。
 
 
【お知らせ:ダイエットビジネスの事例詳細解説の社内研修】
 
肥満予防(ダイエット)は、健康ビジネスの市場の中でも規模が大きく、変化の激しい市場です。今までのトレンドと成功事例を知り、的確に企画のキモを抑えることが必要です。
 
そこで、
 
・ダイエットビジネスの15年史
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スポルツサービスのご案内
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●健康ビジネスの調査、企画の支援企業をお探しの方
私たちのサービスメニューの紹介です。最近はダイエット関連の調査・企画支援も増えています。我々が蓄積してきた海外・国内の成功事例を最大限使っていただくスピードに特長があります。
 
●人を感じる、人が寄り添うヘルスケアサービスヘルスコーチング
今回の内容でもありました「ヘルスコーチング」の考え方を日本でいち早く展開しているのが弊社のサービス。その概要の紹介です。
 
●セミナー:継続ドライバの理解と「使い方」を学びたい方
継続支援の技術を10個に体系化した「継続ドライバ」を紹介するオープンセミナー。4月14日開催です。
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「食べるを学ぶスタンス」
 
ヘルスケアサービス現場のスタッフが絶対に持つべきは食べるを学ぶスタンスだと思うのです。食べることとヘルスケアコンディショニングは繋がっています。さて、あなたの現場では学び合っていますか?
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <8クリップ>
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[1]iCARE、法人向けヘルスケアプラットフォームサービス「carely」提供開始
コンセプトは、社員の健康を増進する“Web上の保健室”。働くひとのパーソナルな健康情報を可視化し、問題発生時にチャットを通じた健康データに基づく具体的な改善を行うソリューリョンを提供する。(2016/03/07)
 
[2]パナソニックヘルスケア、「chk4.me(チェックフォーミー)」をスタート
電子版お薬手帳の情報(服用情報)を全国の医師、薬剤師、または家族などと共有でき、閲覧できるポータルサイト。閲覧者側には特別な端末やソフトウェアは不要で、ウェブブラウザでサイトにアクセスするだけ。(2016/02/29)
 
[3]イーウェル、「みんなの健康応援サイトKENPOS」をリニューアル
これまでKENPOSに手入力していた歩数が自動的に記録される歩数計アプリ「KENPOSウォーキングアプリ」をはじめ、日常生活の中で自然に健康に取り組むことができるコンテンツを新しく導入。(2016/03/03)
 
[4]ソフトバンク、診察料を携帯料金とまとめて支払える「スマート病院会計」を提供開始
診察料を後から携帯電話料金とまとめて支払うことができるサービス。受診後、会計せずにそのまま帰れる他、外出先での急病時などでも診察料を気にせずキャッシュレスで受診できる。(2016/03/07)
 
[5]博報堂、新大人研レポートNo.25 シニアから新大人へ、新型50。60代に。その9 新しい大人世代の孫育ては「近居・孫友」の新スタイル
孫育てをもう一度やりたい人は、全体で男性76.2%、女性73.3%。孫育て参加理由は「一緒にいると楽しい、刺激がある」73.0%が1位で、2位の「子供の家族を助けたい」52.4%を大きく上回り「孫友」の傾向が強くなっていることが分かった。(2016/03/02)
 
[6]ABC Cooking Studio、オムロン ヘルスケア、ドコモ・ヘルスケア、「女性のカラダ・ミカタ宣言」第一弾プログラム実施報告
2015年11月から約3ヶ月間、20-30代の働く女性を対象に実施した「いつかママになるためのカラダづくり」プログラムの成果を発表。食生活や女性ホルモンについて知ることで食事内容の改善やPMS症状の軽減に効果。(2016/03/03)
 
[7]肩・背中・腰の痛みにさようなら!仕事中の座った姿勢をトラッキングする『SITYEA』
「SITYEA」はダウンロードでの販売を予定しており、価格は27ユーロ(約3,400円)。使用にはWindows用Kinect(約2万円)が必要。パソコンの前で姿勢のトラッキングを行い、正しい姿勢に矯正してくれる。(2016/03/02)
 
[8]Vanderbilt大学とVerily社、100万人の患者による『Precision Medicine』グループのテストを主導
NIHは、昨年オバマ大統領が発表した2億ドルの「Precision Medicine」プロジェクトの一環として、複数の主要なプログラムの開始を発表。プログラムには、100万人の患者グループを研究に参加させる計画や研究を容易にするためのEpic社等の主要EHRベンダー用のオープンAPIが含まれる。(2016/03/07)
 
 
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